プロ野球とスポンサー【山本萩子の6-4-3を待ちわびて】第115回
先日、CSスポーツチャンネル「GAORA」さんのお仕事で、甲子園球場の阪神-ヤクルト戦の中継をやらせていただきました。地元の阪神寄りになりがちな主音声に対して、副音声は「スワローズ寄り」にしたいということで、ヤクルトOBの舘山昌平さんと一緒にお邪魔しました。 【写真】山本キャスターの最新フォトギャラリー 副音声ブースに実況の方はおらず、「ふたりで好きなことを喋っていい」とのことで、時には試合展開も忘れて自由にとことん野球談義ができ、とても楽しかったです。肝心の解説のほうも、館山さんから興味深いお話をたくさん引き出せて、納得のいくお仕事ができた気がします。 甲子園球場で目に入ったのが、スタンドのあちこちに掲出された広告でした。これはスポンサーが球場にお金を払って広告を出しているのですが、テレビ中継のたびに私たちの目に入ってきます。真剣な表情の選手の後ろにユニークな広告があったりすると、思わずクスッとしてしまうことも。 一般的に、スタジアムで一番料金が高いのは内野のフェンス近くに掲出される広告で、聞いたところによると、1000万円以上の金額が球場に支払われているそうです。内外野のフェンス以外にも、広告は球場のいたるところにあります。たとえば、神宮球場でもお馴染みですが、球速が表示されるバックスクリーンディスプレイには球速と同時にスポンサー名が表示されます。 変わったものでは、リプレーやリクエストを検証する動画が流れる際に表示される広告です。バックスクリーンにリプレー動画が表示されている横にスポンサーの名前が表示される仕組みで、1試合で平均、数十回再生されるそうです。甲子園球場の広告資料を見ると、その金額はなんと年間2500万円!しかし、みんなが間違いなく注目する場面ですから、広告効果も高いのでしょう。 あらためてそういった目で見ると、野球をはじめとしたプロスポーツは広告と不可欠であることがわかります。先日には、我が軍の親会社であるヤクルトが大谷翔平選手のドジャースとスポンサー契約を結びました。レフトスタンドに看板を出すそうです。 金額は公表されていませんが、ドジャースが大谷選手と約1000億円という大型契約を結んだ意味はここにこそあったと言えるでしょう。成績や集客のみならず、広告までも集めてしまう。スター選手の経済効果は計り知れません。