【広島】青山敏弘が引退会見、現役時代のナンバーワンプレーは「ファンサービスかな」
引退後は「監督として日本一になりたい」
21年間で最も印象に残っていることには、2012年のJ1初優勝を挙げた。「それまで、J2に降格しましたし、ケガもたくさんしてきましたけど、そのたびに自分自身が強くなって、はい上がってきました。選手が一人ずつ(移籍で)抜けていく中でも、クラブと一緒になってはい上がってきた、成長していったと思っているので、その形が優勝というものになったのは、本当にうれしかったです」と振り返った。 これぞ青山敏弘、というナンバーワンプレーを挙げるなら、という質問には、満面の笑みとともに、まさしく、これぞ青山敏弘という答えが飛び出した。 「ファンサービスかな」 練習場でのファンサービスで一人ひとりと会話しながら、ていねいにやり取りする青山の対応は、ファン・サポーターの間では『神対応』として知られる。何とも粋な答えに続けて、こんな思いを語った。 「ファン・サポーターの皆さんとのふれあいがあって初めて、応援してもらえる。同じ目線で戦っていけたことが、一番大きかったと思う。僕のパワーになっていたし、あの関係性が、僕の成功の一番の秘訣じゃないかと思っている」 引退後のセカンドキャリアについて聞かれると「ピッチの上で戦い続けたいですね。このクラブで、指導者として、監督として、日本一になりたい。それが次の夢になるんじゃないかと思っています」ときっぱり。さらにファン・サポーターに向けて「本当に長い間、良い関係を築けたと思っています。どんな結果以上に、ファン・サポーターとの絆は大きいと思っている。それを築けたのが僕にとって、プロサッカー選手としての成功じゃないかと思っているので、皆さんに感謝したいと思います」とメッセージを送った。 明治安田J1リーグは残り4試合で首位に立っており、優勝でキャリアを締めくくることができるか。残りのシーズンに向けて「まだ終わっていない。ファイティングポーズを取り続けているし、スキあらば若い選手からポジションを取ってやりたい」と意気込みを語り、「それが最後までできると信じて走り続けますし、最後にそれが結果に結びつくと信じて、最後の最後まで、この紫の6番は戦い続けます。見ていてください」と表情を引き締めた。 取材・写真◎石倉利英