中国で35人死亡の車暴走、事件1カ月半で死刑判決 厳罰姿勢強調か
中国広東省珠海市で11月に男が車を暴走させて35人が死亡した事件で、同市の裁判所は27日、公共の安全に危害を与えた罪で男に死刑判決を言い渡した。国営中央テレビ(CCTV)が報じた。無差別殺傷事件が相次ぐ中国で、事件から1カ月半という異例の早さの判決は、厳罰姿勢を示す狙いがあるとみられる。 【画像】事件があった体育施設 事件では離婚時の財産分与に不満を抱いていたとされる男が車を暴走させ、体育施設前の広場で運動していた多くの市民が犠牲になった。事態を重く見た習近平(シーチンピン)国家主席は翌日に「犯人を厳しく処罰する」などとする重要指示を出していた。 CCTVは、判決は「結果が深刻で社会への危害が大きい」と断罪したと報じる一方、事件翌日に43人と発表された負傷者らのその後の容体などについては報道しなかった。 中国では24日にも、小学生ら30人にけがをさせた男に対して湖南省の裁判所が、事件から1カ月あまりで執行猶予つきの死刑判決を言い渡している。(上海=小早川遥平)
朝日新聞社