今永昇太は「セでトップの抑え級の奪三振能力が」カブスでの活躍も見立て通り…日本一DeNA“異色コーチ”と育成トリオが語る「課題解決」
2024年、セ・リーグ3位から日本一へと駆け上がった横浜DeNAベイスターズ。アナリストとして学んだ異色のコーチや、台湾のウィンターリーグで研鑽に励んだ選手たちに話を聞いた。〈全3回の2回目〉 【貴重写真】大谷17歳、超細いのに甲子園で衝撃の特大HR、ぷっくり捕手な村上17歳。ガリガリな柳田、ヤンチャそうな学ラン姿の張本、実は投手だった王さん…名選手140人超の高校時代を見る
今永は「要所で三振を取れるのが強みでした」
横浜DeNAベイスターズの八木快コーチは、筑波大学大学院に進み川村卓准教授(当時。現在は教授)の研究室でバイオメカニクスを学び、そこからNPBの世界へと飛び込んだ。「バイオメカニクス担当のアナリスト」という視点で様々な投手をチェックする中で――2024年、シカゴ・カブスに移籍した今永昇太について、どのように感じていたのだろうか。 「僕の目線では、今永選手はセ・リーグのトップのクローザーぐらいの奪三振能力やファウルを取る能力を持った投手だったんです」 八木コーチはこのように称賛しつつ、こう続ける。 「そんな投手が先発で投げている。だから要所でしっかり三振が取れたというのが強みでした。また、そういう投球ができるメカニックもちゃんと備えていました。もちろん、彼自身がデータを見て自分の投球を判断できるレベルでもありました」 八木コーチの見立て通り、今永昇太はカブスで15勝3敗、防御率2.91という素晴らしい成績を残したのだ。
コーチ専任に…「ここまでやらないとダメだ」
2023年はピッチングコーディネーター兼任の育成投手コーチだった八木だが、2024年からは育成投手コーチ専任となった。 「バイオメカニクスのデータをベースにいろいろパフォーマンスを伸ばしていくというところは変わらないと思います。ただ、最近は、育成選手も多くて、もっと成長させなければなりませんが、そういう選手をゲームで戦えるようになるまでしっかり育成すると言う仕事が占める割合が大きくなると思います。 単にバイオメカニクス担当としてアドバイスするだけではなく、成長の道筋まで示していくのがコーチだと思うので、そこはかなり変わると思います。なぜこうなっているのかを評価し、指摘することはこれからもやりますが、この部分を向上させるためにはしっかりトレーニングするべきだ、ということを理解させたり、実際にはどういう練習をするのか、を提案していくことになると思います」 コーチ専任になった経緯は、自ら能動的に動いたからこそだという。 「実は、バイオメカニクスのアナリストからコーチになることは、僕から球団に申し出たんです。バイオメカニクス的な指導を徹底するには、ここまでやらないとダメだ、と思ったんですね。 今、バイオメカニクス担当は4人います。兼任のスタッフもいますが、選手だけでなく彼らを指導、育成するのも僕の役割です。データに携わっているものとしては、少し矛盾しますけど、データを使うことが重要ではなくて、データも含めて『チームが勝つこと』が求められているのだと思います。選手のポテンシャルを高めることは大事ですが、最後はやっぱり勝たなきゃいけない。そこに貢献できるようになるのが理想ですね」
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