推しをアピール、ファンが応援広告 可処分所得の2割を投入「生きがい与えてくれる」
費用は主要駅の場合、B0サイズ(縦103センチ、横145・6センチ)のポスター1枚で約6万~9万円(税別)。駅構内の大型ボードなどは数十万円かかるが、ファンが資金を出し合って掲出するケースもあるという。
同社の調査では、昨年度の市場規模は377億円と推計され、同年の屋外・交通広告費の1割に相当する急拡大ぶりを見せている。担当者はこうした背景に「SNSが当たり前の時代にあえてアナログな手段で推しの魅力をより多くの人に知ってほしいというファンの思いがあるのではないか」と推察した。
■日本人の3人に1人に「推し」、生きがいや活力に
広告大手の博報堂が発表した「推し活」について幅広くまとめた「オシノミクスレポート」では、10~60代の男女5万人のうち3割超が「推しがいる」と回答。かつては「オタク」としてみられることも多かったが、いまや推し活は生活の一部となり、生きがいにつながっている実態が明らかになった。
同レポートによると、男性よりも女性の方が「推しがいる」と回答した割合が高く、うち10代女性が8割超と最多だった。その一方で、40~50代男性も約2割が「推しがいる」と回答し、推し活が幅広い年齢で行われていることが示された。
推し活に関する考えを聞く項目では、「推しが活躍する姿を見るとうれしい気持ちになる」「推しは生きがいを与えてくれる」などと回答した人が多く、推しの存在が日々の生活の活力となっていることがうかがえる。
また、所得のうち自由に使い道を決められる「可処分所得」で推し活に費やす割合は、全ての年代で2割を超えていた。(小川恵理子)