世界遺産の継承へ国内外の専門家を招きシンポジウム 群馬・高崎市
群馬県富岡市にある富岡製糸場の世界遺産登録10周年を記念して、未来への継承を考えようと、国内外の専門家を招いた国際シンポジウムが10日から始まりました。 この国際シンポジウムは去年6月に富岡製糸場が世界遺産登録10周年を迎えたことを記念して、10日から2日間にわたって開かれるものです。 10日は県内外から約200人が集まり「絹の歴史と文化を未来に紡ぐ」をテーマに講演やディスカッションが行われました。 このうち国際産業遺産保存委員会の日本代表をつとめる松浦利隆さんは、富岡製糸場と安中市の碓氷社をテーマに講演しました。 松浦さんは、近代的な工場制度を導入した富岡製糸場の役割は大きいとした一方で、碓氷社のような江戸時代からの技術を活かした独自の手工業が生糸生産量の大きな部分を占めていたと話しました。 そのうえで、世界遺産の価値を守るためには「中心的な大きなものだけでなく周辺で本来一緒に歴史を支えていたものまで理解する必要がある」と強調しました。 参加者は様々な視点から世界遺産の未来への継承について考えていました。