バラ栽培は、完璧じゃなくて大丈夫。Youtubeでも大人気の松尾祐樹さんにインタビュー『はじめてのバラ 気軽に楽しく満開に!』発売記念
失敗にやさしい「半つる性」がおすすめ
これから育てる方には、半つる性のタイプをおすすめしたいです。半つる性のバラには耐病性の強い品種がたくさんあるうえ、病気で葉が落ちてしまったとしても、新しい芽が出てくる強さがあるんです。半つる性は、病気になりにくい性質と病気になっても回復しやすい性質をあわせもつ、失敗にやさしい初心者向きのバラといえます。 バラ栽培の醍醐味には、理想の姿かたちを目指して樹形をデザインできることもあります。半つる性のバラは、大きくなりすぎないので鉢植えでも育ちますし、壁に這わせたり、アーチに登らせたりと、庭のロケーションに合わせて仕立てることもできます。育てる人それぞれに、寄り添ってくれるよさがあるんです。 本書ではラティスやオベリスク、アーチにフェンスと、さまざまな構造物に仕立てる方法もていねいに紹介しました。また、剪定や誘引のコツを動画で見られるようにもしました。ぜひお役立てください。 自然と向き合うバラ栽培はうまくいくときばかりではありません。お伝えしたいのは「完璧じゃなくても大丈夫」ということ。うまくいったり、いかなかったりも含めて、バラ栽培を楽しみ、バラと触れ合う喜びが深まっていく。この本がその手助けになるとうれしいです。
春はバラ生活をスタートするのにおすすめの季節です
春はご近所の庭先や街角、公園でバラが咲き始め、園芸店やバラ専門店にも、蕾や花のついたバラ(開花株)がたくさん並びます。店頭で実際に花を見たり、香りを確かめたりしながらバラを選べる貴重なシーズンです。 憧れのバラ生活はバラを買うことからスタート! お手入れのしがいのある好みのバラを探しましょう。
3年目の春はこんなに咲く! 写真のバラは「ダム・ドゥ・シュノンソー」。サーモンピンクの華やかな花色が魅力。耐病性が強く、花数が多く花もちもよい。鉢栽培でも豪華なつるバラとして楽しめる。
*本インタビューは『趣味の園芸』2024年5月号に収載された記事を加筆・再構成したものです。 松尾祐樹(まつお・ゆうき)/園芸家 京都・洛西の総合園芸店「まつおえんげい」の4代目。ポピュラーな草花からバラをはじめとした専門性の高い植物までさまざまな植物を熟知。特にバラの楽しみ方、育て方をわかりやすくていねいに解説する語り口には定評があり、YouTube チャネル「ガーデンちゃんねる」でも大人気。各地でバラの講演なども行う。