元日の地震からまもなく1年 液状化対策へボーリング調査 《新潟市西区》
TeNYテレビ新潟
元日の地震で深刻な液状化の被害を受けた新潟市西区。対策を検討するため、市は17日からボーリング調査を始めました。地震からまもなく1年。被災した住民は次の災害を心配することのないまちづくりを願っています。 新潟市西区の鳥原地区に住む永井良二さんです。 〈永井良二さん〉 「建て直しです。向こうの家は取り壊して空き地になってしまっている。いつも子どもがここでね、遊んだりしてた」 住み慣れた街並みはあの日を境に大きく変わりました。 子どもたちとよく遊びに来た公園には今も立ち入ることができません。 ことし元日に発生した能登半島地震。 新潟市西区を中心に地盤の液状化が起き、被害は広範囲に及びました。 永井さんの家は約20センチ沈み、中規模半壊の認定を受けました。 傾いた我が家での生活… なかなか眠れず体調も崩すなど不安な日々が続きました。 〈永井良二さん〉 「毎日が落ち着かなかったですね。なにもするにしても張り合いがない、積極性がなくなる、引っ込み思案というかうつ状態」 10月には地盤を上げる工事が完了しましたが今も庭は沈んだままだといいます。 〈永井良二さん〉〈妻・智子さん〉 「地盤も沈下したので土を入れたが池みたいな形になって」 「雨が降るたびにやっぱり怖い、ちょっとでも沈んでんじゃないかとか」 こうした中、新潟市は液状化対策を検討しようと17日から鳥原地区でボーリング調査を始めました。 地下20メートルまで土を掘り地盤の強度や水の通しやすさなどを調査します。その結果を来年5月中旬をめどに分析し、実証実験などを経たあと住民の合意形成を図る考えです。 その後、行われる予定の対策工事。新潟市は着手までに早くてもあと2年から3年はかかるとしています。 〈新潟市都市政策部 石黒慎太郎主幹〉 「液状化対策についてはかなり息の長い事業になると考えています。こういった調査をしっかりやって、今後の対策の可能性を示していくことでみなさんにはどんなことができるのかという部分を見ていただけたら」 ボーリング調査は西区や江南区の計27か所で行う予定です。 永井さん夫婦です。 自宅は大きな被害を受けましたが、人の温かさを感じた1年だったと振り返ります。 〈永井良二さん〉 「地域の人たち、いろんな人たち、ボランティアさん、それから市だとか県とか行政などいろんな人から支えていただいた、感謝の気持ちが大きいです」 〈妻・智子さん〉 「人の温かさを再認識した、それはうれしかったです」 〈永井良二さん〉 地域が一体になってと感じがしました」 そして、地震に強い街になるように望んでいます。 〈永井良二さん〉 「もう次を心配しなくてもいいそんな街づくりにしてほしいなと思います」 元日の地震から間もなく1年… 被災地では復旧の次の段階に向け1歩を踏み出し始めています。