ゼレンスキー氏、対露越境攻撃容認に謝意 ウクライナ版「マーシャル・プラン」提唱
【ファサーノ(イタリア南部)=黒瀬悦成】ロシアの侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は13日、イタリア南部ファサーノで開かれている先進7カ国首脳会議(G7サミット)で演説した。 ゼレンスキー氏は、米欧製兵器を使ったロシアへの越境攻撃を米独仏などの兵器供与国が容認したことに関し、ロシアのミサイル攻撃拠点に打撃を与えることが可能になり、「ロシアの空爆への守りが強化された」と謝意を示した。 ゼレンスキー氏はまた、戦火で荒廃したウクライナの復興と再建を促進するため、第二次世界大戦後の欧州のために米国が推進した復興援助計画「マーシャル・プラン」のような「明確な計画が必要だ」と強調した。 復興計画をG7とウクライナによる共同宣言の形でまとめ、7月に米ワシントンで開かれる北大西洋条約機構(NATO)サミットの場で発表することも提案した。 世界銀行が発表した試算では、ウクライナの復興には今後10年間で4860億ドル(約76兆円)を要すると見積もられている。 自身の提唱で15日からスイスで開催される「世界平和サミット」に関しては「ロシアがウクライナの領土を攻撃するのを不可能にしなくてはならない」と訴えた。 ゼレンスキー氏は、自身が2022年11月に発表した10項目の和平提案「平和の公式」のうち、「核の安全」「食料安全保障」「捕虜やロシアに連れ去られた子供の返還」に加え、エネルギー安全保障を重点的に討議する方針を明らかにした。