祖母からハイブランドの指輪をもらったのですが、これは「相続」に当たりますか?
祖父母から、現金だけではなく、着物や指輪などの高価な物をもらった経験のある方も少なくないでしょう。 現金ではなく、贈るためにわざわざ買った物でもない、使わなくなった持ち物を祖父母からもらった場合に、それは相続に当たるのでしょうか? 今回は、祖母からハイブランドの指輪をもらったと仮定して、考えてみます。
祖父母から物をもらうと基本的には贈与に該当する
基本的に、祖父母から物をもらうことは贈与に該当します。贈与とは、生前に財産を誰かに与えることをいい、存命中の祖母からハイブランドの指輪をもらった場合は、相続ではなく贈与に該当することになります。 なお、年間110万円を超える贈与を受けた場合は、贈与税がかかります。ここでいう110万円とは、祖母からだけではなく、それ以外の者からの贈与も全部含めた額となります。 仮に、祖母からもらった指輪の価値が80万円だったとしても、その年に父親から現金40万円を受け取っていた場合は、合計の贈与額は120万円となるため、贈与税が生じます。また贈与税は、贈与した側ではなく、贈与を受けた側が支払うことになります。
その後、相続に該当することもある
贈与と近しい性質のものに、相続があります。相続とは、ある方が亡くなったときに、その方の遺産を相続人が引き継ぐことをいいます。 今回の例では「存命中の祖母から指輪をもらった」ため、贈与に該当しますが、これが仮に「祖母が亡くなったときに相続人として指輪を受け取った」のであれば、相続に該当します。 ただし、贈与の場合でも、贈与を受けてから3年以内(令和6年1月1日以後の贈与では7年以内)に贈与者が亡くなり、相続や遺贈で財産を受け取ったときは、生前に贈与された財産も相続財産と見なされ、相続税が発生する可能性があります。 とはいえ相続税は、基礎控除の3000万円+(600万円×法定相続人の数)までは非課税とされており、相続税が実際に発生することはそう多くありません。 また、祖父母から贈与を受けることはよくあっても、相続人として祖父母から財産を相続することはあまりありません。一般的には、祖父母の子(孫からすれば父母)が相続人となるからです。 よって、祖母からハイブランドの指輪を受け取ったとしても、それが相続に当たり、相続税が生じることは、基本的にはないと考えてよいでしょう。