金塊はほとんどの場合、安全に保管されている場所から外に出ることはない。

ゴールド（金）の価格は2024年に異常な高騰を見せ、高値を更新した。 値上がり益は素晴らしいが、保管にかかるコストが利益の一部を相殺してしまう可能性がある。 【全画像をみる】金の延べ棒を買うような超富裕層は、ゴールド（金）の値上がりを気にしていない 富裕層の投資家は損失の回避に関心があるため、それは問題ないと専門家は話している。 2003年にリメイクされた強盗映画の名作『ミニミニ大作戦』では、強盗団がミニクーパーを改造して、1トン近くの金塊を乗せて警察の追跡を逃れた。 強盗の目的は3500万ドルの金塊であり、推定によると当時の価格では274本の金塊になり、3台の車それぞれに65本ずつ積まれたことになる。 それから20年後、ゴールド（金）の価格は2500ドルまで急騰した。つまり、映画で描かれた金塊1本あたり100万ドルの価値になる。 言い換えれば、その強盗団が同じ274本の金塊を狙ったなら、現在では2億5000万ドルの価値になり、もし3500万ドルだけを狙うなら、1台で運べる0.5トンの金塊だけが必要だったということだ。 400オンス（約11kg）の金の延べ棒を手にするという映画のような夢を実現したい富裕層のために、その実現をサポートする企業がいくつかある。 アイルランドに本社をおく、貴金属を取り扱う企業、ゴールドコア（GoldCore）の共同創業者兼取締役のスティーブン・フラッド（Stephen Flood）は、同社が投資した金塊を手にすることを希望する複数の顧客にサービスを提供したとBusiness Insiderに語った。 「1本の金塊ですら、装甲車の話になる。ポストに入れるなど、もってのほかだ」 こうした大きな金塊はたいてい、細心のセキュリティ下にある保管場所から外に出ることはない。金塊が売れたら、保管庫内の新しい所有者の棚に移動されるだけだ。 金塊そのものの管理と保護に関する費用は、すぐに膨らむ可能性があり、価格の上昇を相殺してしまうこともある。 しかし、超富裕層にとっては、それが最大の懸念事項ではない。 キトコ・メタルズ（Kitco Metals）のトレーダーであるジョナサン・ダ・シルバ（Jonathan Da Silva）は、超富裕層は余剰の富を、より耐久性が高く、リスクの少ないものに交換することを考えているとBusiness Insiderに語った。 「ゴールドの市場はもちろん、スポーツ関連の記念品や高級ジュエリー、芸術品、自動車など、他の代替資産よりも、ずっと狭いスプレッドを提供している」と、彼は語った。 純金については、基本的に推測の必要はない。 さらに、他の投資家や機関投資家、中央銀行と同じ（たいていはスイスにある）金庫に保管しておけば、緊急時に流動性も高まる。金の現物はほんの数分で取引できるため、信頼できる買い手を探し回ったり、装甲車を手配したりする必要がない。 フラッド氏によると、キログラムバーは現在一本約8万ドルで販売されているため、価格の高騰もキログラムバーの魅力を高めているという。 ゴールドを長期保有している人は売ろうとはしない。