無念指名漏れ「江川2世」とプロでの再会を約束 「絶対に待っていてください」
昨年限りで2年間担当したアマチュア野球を離れ、1月からプロ野球の巨人を担当することになった。年末は高校、大学の関係者にあいさつ回りをすることも多く、多くの温かい言葉をもらい、今後の励みにもなった。 作新学院(栃木)の小川哲平投手(3年)は力強く「3年後に必ずプロの世界に1位指名で行くので、待っていてください」と誓ってくれた。1メートル84、95キロの立派な体から繰り出す最速148キロの直球を武器に「江川卓2世」として1年生から活躍し、選抜にも2度出場。今夏の栃木大会は準決勝で敗れたが、4試合で29回2/3を無失点と圧倒的な数字を残した。満を持してプロ志望届も提出したが、まさかの指名漏れ。「江川2世」といつも騒がれ、プレッシャーも感じていた高校野球を「比べられるというか、実力的には足元にも及ばないと思うので申し訳ない気持ちもありました。今はまだプロへ行く実力が足りなかったと、いろいろな課題に向き合っています」と本音も明かした。 どうしてもプロの世界へ行きたい理由もある。家庭の事情で幼少期から母・直子さんと2人暮らし。大好きな野球を続けさせるため、母は夜遅くまで働くこともあった。そんな姿をいつも見ていたからこそ「プロへ行って早く恩返しがしたくて。ここまで支えてもらった母を少しでも早く楽にさせてあげたいんです」と大学より1年早く、3年目でドラフト解禁となる社会人野球への道を決めた。 4月から所属するのは11年に都市対抗で優勝を果たした強豪・JR東日本。高卒でも1年目から活躍する姿を頭に描いており「155キロまで球速を上げて、3年後は誰が見ても1位と言われる実力を付けたい」と見据える。「次はプロの舞台で取材されるように頑張るので、絶対に待っていてください」。その約束を果たせるように、記者もプロ野球担当として努力を重ねていきたい。(記者コラム・村井 樹)