【プリンス関西プレーオフ】文武両道を体現する主将、三田学園DF黒瀬直弥はプリンス昇格の置き土産を残し受験に挑む
12月15日、高円宮杯 JFA U-18サッカーリーグ2024プリンスリーグ関西 プレーオフ(参入戦)決定戦がJ-GREEN堺で行われ、三田学園(兵庫)が東山B(京都)と対戦。2-0で見事に勝利しプリンス関西2部への昇格を決めた。 【フォトギャラリー】東山B vs 三田学園 【フォトギャラリー】東山B vs 三田学園 14分にMF21佐伯太壱(2年)が直接FKを決め先制した三田学園は、21分にもFW10姫田琢斗(3年)が獲得したPKをDF4黒瀬直弥(3年)が決め追加点。後半は東山Bに攻め込まれるも黒瀬を中心に最後までゴールを割らせず、そのまま逃げ切りに成功。1年でのプリンス関西2部復帰を決めた。 試合後、黒瀬主将は「まずはホッとしました。僕たちの代は去年もプリンスで出ていた中で降格させてしまったので、最後僕たちが上げて引退するのが、先輩としてあるべき姿かなと思って取り組んできたので、それを実践できてよかったです」。チームをあるべき場所に戻せたことに安堵した。 このプレーオフ2連戦。黒瀬とCBのコンビを組んだのは2年生のDF5山﨑駿太朗。山﨑はこれがAチームデビュー。大一番での大抜擢となったが、初めてとは思えない程に抜群の安定感を披露。「緊張していたと思うんですけど、いつも以上、それ以上の力を発揮してくれたので、僕も思いっきりプレーができました。お互い助けながらできました」と黒瀬も頼もしい後輩を賞賛した。 「最後は全員がシュートブロックに入るぐらいの気持ちで身体を投げ出して、そういう気持ちや執念では絶対に負けないようにやっていました」と身体は連戦で限界を迎えながらも、気力で立ち塞がった三田学園DF陣。途中から出てきた選手も含め「本当に総力戦」でチーム一丸となって戦った。キャプテンも「チームの力を示せたと思います」と胸を張った。 3年間を振り返り「本当に一瞬でした」と語った黒瀬。1年生でプリンスデビューを果たすと、インターハイ予選でもCBのポジションでチャンスを掴み、兵庫県を制し全国大会に出場。これ以上ないスタートを切ったが、2年生で県リーグへの降格を経験。自分の代となった今年はインターハイは決勝で敗れあと一歩のところで全国を逃し、選手権も準決勝で敗退。 それだけに「嬉しい気持ちと悔しい気持ち、両方あるので複雑な気持ちです」と話した黒瀬。「一番悔しいのは自分たちの代の選手権。そこで負けてしまったので、最後はプリンスに上げてやるぞって気持ちも強くなったので、そういう意味では良かったと思います」悔しさをこの一戦にぶつけ、それを見事に表現した。 後輩たちには「県リーグとプリンスリーグでは全然強度が違うので、そのプリンスリーグで戦った強度をしっかり生かしてインターハイや選手権でも結果を残して欲しいです」とメッセージを残した。 この試合で高校サッカー生活を終えた黒瀬だが、彼の勝負はまだまだこれから。難関大学への受験が待っている。 「まずは目指している大学を受験しないといけないので、難しいかもしれませんがしっかり切り替えて勉強も頑張っていこうと思います」 文武両道を体現する主将の目線はすでに次の勝負に切り替わっていた。 (文・写真=会田健司)