【大学選手権】九産大、タイブレーク制し18年以来の8強進出 9番岩下天翔が一時勝ち越し打
<全日本大学野球選手権:九産大5-4仙台大>◇12日◇2回戦◇東京ドーム 九産大(福岡6大学)が、仙台大(仙台6大学)に競り勝ち、延長11回、タイブレークを制し18年以来の8強進出を決めた。 【一覧】全日本大学野球選手権・組み合わせ 恐怖の9番打者が、勝利に導いた。3-3で迎えた延長11回、2死一、三塁。9番岩下天翔内野手(3年=千原台)は、打席に入る前、ベンチにいる今秋のドラフト候補で、ケガで先発出場を控えた浦田俊輔内野手(4年=海星)に目を移した。 「試合前、浦田さんに『今日も勝ってまた次やろう』って言われて。その言葉がずっと頭の中にありました。もうここはなんとしても打ちたい、と打席に入りました」 ミートを心がけてバットを指2本分、短く持った。狙い通りの真っすぐを捉えると、打球は左前へ。三塁走者を迎え入れ、勝ち越しに成功した。「うれしいです」と笑顔を見せた。 大久保哲也監督(61)は「上位打線に置くと、むらっけが出るんです」と、今春のリーグ戦は9番に固定。13打点で打点のタイトルを獲得した。「ずっとむらをなくすために練習してきました」と、冬は置きティーで右手と左手の使い方を意識しミート力を上げた。「力みなく、素直にバットを出す練習をしました」。練習を重ね、その自信がチャンスの強さを生んだ。「気持ちに余裕ができました。今までは(チャンスの打席に)ヤバイと思っていたんですが、今年はヨッシャー、返してやるぞって。楽な気持ちで入っています」と、笑った。 次戦は準々決勝で早大(東京6大学)と対戦する。 「この大会で一番強いチームだと思っています。ロースコアに持ち込んで、ここぞのチャンスで1点、2点を取って勝ち抜けたらなと思います」。恐怖の9番打者が、全国の舞台で輝く。