【レポート】大泉洋、主演ドラマ『終りに見た街』制作発表記者会見に登壇!大学生&大学院生の質問にも回答
■「(脚本を担当した宮藤官九郎から)ものすごい早さでオファーが来たからびっくりした」(大泉洋) 【画像】イベントの様子(写真全12枚) 9月21日21時からテレビ朝日系24局で放送されるテレビ朝日開局65周年記念 ドラマプレミアム『終りに見た街』の制作発表記者会見が開催され、主演を務める大泉洋が登壇。昭和を感じるセットをバックに、作品へかける思いや撮影裏話など笑いを交えてたっぷり語った。 本作は、戦争体験者のひとりとして厳しい体験を次世代に伝えることをテーマに、山田太一が約40年前に脚本を執筆した『終りに見た街』を、主演・大泉洋、脚本・宮藤官九郎のタッグで3度目となるドラマ化。 令和の時代に東京郊外で何不自由なくありふれた日常を暮らす大泉洋演じるテレビ脚本家・田宮太一の一家がある日突然、昭和19年6月にタイムスリップし、太平洋戦争まっただ中の時代を懸命に生きる姿を描く。 ■豪華共演者の裏話を続々披露!神木隆之介は「なんか嫌」と嫉妬むき出し!? 大泉にとって初の宮藤官九郎脚本への出演となった本作。憧れを抱き、いつか出たいと思っていた大泉は映画『こんにちは、母さん』(2023年)で俳優として宮藤と共演した際に出させてほしいと伝えたところ、その直後に本作の話がきたそうで、「ものすごい早さでオファーが来たからびっくりした」ことを明かした。 そんな驚きもありながら念願叶って宮藤と初タッグを組むことになった大泉だが、「戦争というテーマですが、実に見事なバランスで描かれている。笑いも入るし、現代の社会の風刺もあり、そして戦争を受け入れる人間の怖さも描かれている」と、改めて宮藤脚本のすごさを実感したそう。 そんな本作には、大泉のほか、吉田羊や堤真一をはじめ、錚々たる豪華キャストが出演。戦争という思いテーマの作品ながら、現場は「笑い声で溢れていた」そうで、「堤さんも吉田羊ちゃんもよくしゃべる。でも、私がいちばんしゃべるわけですけど」と場を盛り上げながら、常に賑やかな現場で一丸となって撮影を乗り超えていた様子。 そんな大泉にとって最も印象に残っている共演者が、久々の共演となった神木隆之介。吉田羊演じる妻・ひかりのパート先のオーナー役なのだが、「神木くんがちょっと嫌な役でね。吉田さんがちょっと好き(?)な相手で、僕はやきもちを焼くわけなんですけど。堤さんに取られるならまだしも、神木くんってなんか嫌だな!」と複雑な心境を吐露し、会場は笑いに包まれた。 ■学生からの質問にまじめに答える一方、ある学生は大泉に説教も!? 会見では、今回招かれた大学生、大学院生の質問に答えるコーナーも。会見前に試写会に参加した学生たちからはそれぞれドラマを観て感じた熱い思いを伝えられ、さらには学生ならではの純粋で真っすぐな(!?)質問が大泉にぶつけられた。 「演じるうえで大切にしていること」を聞かれた大泉は、「作品はみんなで作るもので、私は“演じる”というひとつのパート。皆が作ってくれたものを取り入れて、現場で私が表現できたらいいなという思いは常にある」と丁寧に答えるが、質問者が即座に「勉強になります!」と言うとその言葉を大泉が疑って笑いが起きる。 また就職活動中の学生から「自己アピール」の悩みを相談された大泉は、「とにかく笑わせたいとしか思ったことない」と言い、「例えハリウッド映画のオーディションを受けることになっても、笑わせにいくと思います。スピルバーグ(監督)も笑わせたい!」と言い放った。 他にも「疲労回復方法」や「役作り」に関する質問にも随所に笑いを差し込みながらも、学生のためになりそうな(!?)話をじっくり語った大泉。 だが、笑いで楽しませるという大泉のサービス精神と、昭和を感じるあたたかなセット、そして昭和のおもちゃで遊ぶ大泉の姿などが、どうやらある学生には「ゆるく」映ったようで、「(ドラマは)戦争をテーマにした作品で、大泉さんの演技からすごく覚悟を感じました。こんなことを言うのもあれなんですが、そんなドラマを観たあとにこの記者会見のゆるさですごく心がぐちゃぐちゃになっていて違和感がすごいんですけど…」という言葉を聞いて、大泉は「ちょっと説教されている気分でした」と反省。すぐさま会見のセットのゆるさが問題だとスタッフを指摘し、再び笑いを起こしていた。 ■妻を演じた仲良し・吉田羊から“愛と暴露”満載の手紙のサプライズ! さらに会見では、大泉にサプライズも。「とある方からお手紙」とアナウンサーからその手紙が読み上げられると、大泉は冒頭でそれが吉田羊からの手紙であることを察知。 本作では妻を演じた吉田は、“ようようコンビ”と呼ばれるほどの仲良し。手紙にも仲良しならではの愛ある面白くも温かい言葉が溢れ、誰よりも大変だった大泉を労いながら「ハードな撮影だったはずなのに楽しかった記憶しかないのは間違いなく、よーさまのエンターテイナーのおかげです」と感謝。 また、撮影現場で大泉と吉田が撮影合間に小芝居を繰り広げていたことや、グルメな大泉が驚くほどの頻度で差し入れしていたこと、分厚い半纏にずっと文句を言っていたことなど、近くにいた吉田だからこそ知る大泉の暴露話が続々と披露された。 思いがけない吉田からの手紙を受けた大泉は感動しながら、改めて「本当に尊敬する役者さん」だと言い、相手が吉田だからこそ「アドリブを入れてもいいかな、という気持ちになる。必ず返してくれるだろうし、羊ちゃんも僕が返すだろうと思ってくれていると思います」と信頼し合ってお芝居を作り上げていたことを明かした。 ところが、この日の会見には吉田が不在にもかかわらず、大泉の楽屋に遠隔で差し入れが届いていたことから、大泉は「その気遣いに本当に腹が立ちますね! 隙がない!」と吉田の完璧さに嫉妬なのか、愚痴が止まらなくなる場面も。 ■戦争について考える機会にしてほしい…大泉の熱いメッセージも! そんな笑いが絶えない会見だったが、同時にこのドラマを通して大泉が戦争について感じたことや伝えたいことが熱く語られる場面もあり、それには会場の記者や大学生たちが聞き入り、そして真剣に考える様子を見せていた。 特に大泉はこの作品でいちばん怖いと感じたのは「戦争を経験していない世代の人たちが戦時下に行ってしまったとき、若い子たちは周りに流されていき、自分も国のために戦いたいという気持ちに変わっていくところ」だと言う。 一方で、「自分が昭和19年に突然タイムスリップしたら何ができるんだろう、どうしたら戦争に向かわないようにすることができるんだろう、ということは僕のなかで答えが出るわけでもないんだけど、このドラマはそういうことを考えるいい機会になると改めて思いました」と熱い思いを語り、最後には「ぜひご家族そろって、大切な方とご覧ください!」というメッセージで締めくくった。 番組情報 テレビ朝日系 テレビ朝日開局65周年記念 ドラマプレミアム『終りに見た街』 09/21(土)21:00~ 主演:大泉洋 出演:吉田羊 奥智哉 當真あみ 今泉雄土哉 勝地涼 三田佳子 堤真一 神木隆之介 田辺誠一 塚本高史 西田敏行 橋爪功 原作:山田太一『終りに見た街』(小学館文庫刊) 脚本:宮藤官九郎 演出:片山修
THE FIRST TIMES編集部