納税者「納得できません」…税務調査後に〈不服申し立て〉ができるケース【税理士が解説】
税務調査が行われると、帳簿上の細かな数字を確認したうえで調査官からさまざまな指摘がなされます。指摘内容に納得した場合は、申告内容を修正し、正しい申告額の申請をする修正申告を行います。しかしながら、調査官の指摘にどうしても納得できないケースもあるでしょう。税理士法人松本が、納税者の意見を主張できる「不服申し立て」について解説します。
税務調査の「不服申し立て」とは?
不服申し立てとは、行政庁の行った処分などに不服がある場合に再審査等の請求を求める行為のことです。税務調査の結果において不服がある場合も、納税者は不服申し立てを行うことができます。 ■税務調査時の2つの不服申し立て 不服申し立ては原則として審査請求を求めるものとなりますが、税務調査の処分に対する不服申し立ての場合には、審査請求の他に再調査の請求をすることも可能です。 審査請求をする場合は、国税不服裁判所長に対して不服申し立てを行い、処分の取り消しや変更を求めます。一方、再調査の請求をする場合は、税務調査の処分を決定した税務署長等に対して不服を申し立てます。 再調査の請求がなされると税務署長は改めて税務調査の内容を見直し、その結果を再調査決定書にて納税者に通知することとなります。再調査を請求せずに、国税不服審判所に審査請求を求めることも可能ですが、再調査後の処分に不服があった場合に、段階を経て国税不服審判所に不服申し立てを行うこともできます。 ■税務調査で不服申し立てを行えるケースとは? 税務調査ではどのような場合に不服申し立てを行うことができるのでしょうか。税務調査で不服申し立てを行えるのは、次のようなケースです。 ・申告額が少ないと指摘され、不足分の税額の納税を求められる処分を受けた ・確定申告が不要であると認識していたにも関わらず、申告義務があるとする処分を受けた ・税金を過大に納税したため、更正の請求を行ったが、更正請求を拒否された ・納得のいかない指摘を受け、青色申告の承認取り消し処分を受けた ・加算税の賦課決定を受けたが納得できない