席料、週末料金、90分制…「その独自ルールあり?」初めてのお店で失敗しない「見極め方&対処法」
なぜ、飲食店の「独自ルール」が誕生する?
大手焼き鳥チェーン・鳥貴族の系列店を装った店が高額の「席料や週末料金」などを店の「独自ルール」として客に請求していたという。このような犯罪に類する行為は言語道断だが、飲食店には数多くの独自ルールが存在する。どういった独自ルールが存在し、どのように対処すればよいのだろうか。 【画像】悪質!『鳥貴族』の系列店を語りぼったくり行為を行っていたとされる容疑者… まず飲食店とは何か、ということから説明したい。総務省による日本標準産業分類の定義を拝借すれば、飲食店とは「主として注文により直ちにその場所で料理、その他の食料品又は飲料を飲食させる事業所」。飲食店を営業するのに主に必要なことは、講習を受けて資格が得られる食品衛生責任者と防火管理者を置き、飲食店営業許可を取ることだ。よく勘違いされるが、調理師免許の取得は必須ではない。もちろん、あった方が好ましい。 飲食店営業許可は、食品衛生法に基づいている。人の口に入るものを提供する施設なので、食品衛生が重要となるのは当然だ。逆にいえば、食品衛生以外のことはあまり重要視されていない。そのため、それぞれの飲食店に大きな裁量があり、利益を追求したり、オーナーや店主、大将やシェフのこだわりを体現したりするために、独自ルールが誕生する。 ◆「2名から」「1ドリンク必須」「サービス料」「食べ方」…様々な店独自のルールが では、飲食店によって千差万別の独自ルールについて紹介していこう。 予約に対する態度で、経営的なポリシーが推し量れる。予約できない飲食店はウォークインをどんどん入れて効率を最大化しようとしたり、あえて行列を狙ったりしているのだ。完全予約制であれば、食材やオペレーション、客など、全てをコントロールして完璧に仕上げたいという意図がある。前者がカジュアルな業態、後者が高級業態に多い。 予約手段では、TableCheckやトレタといった大手飲食店予約サイトがオーソドックスで、予約困難店であれば手数料をとられないOMAKASEからだけという飲食店も少なくない。予約必須にもかかわらず、電話予約だけという飲食店もあるが、これはただ単にITを理解できず、DX化に乗り遅れているだけだ。 利用する人数にも独自ルールがある。ファインダイニング、特にフランス料理では1人で利用できないことが多い。理由は、2人で分けることが前提のボリュームになっていたり、テーブルの稼働率を上げたりするためだ。逆にラーメン店などのファストフードでは、まとまった場所が取れないので、大人数は少人数にバラされる。 ファインダイニングではおまかせコース一択という飲食店がほとんどだが、カジュアルなレストランではアラカルトが中心。お通しの注文が必須となるケースは未だに多い。お通しを拒否できることもあるが、必須とされているのであれば、甘受するか退店するかの選択を迫られる。 オーダーする際に1人1品以上の料理を必須としたり、1ドリンクを求められたりすることは多い。お酒をウリとする飲食店であったり、店主がお酒好きであったりすれば、アルコールのオーダーは必須。2人でボトル1本以上、1人グラス3杯程度など、具体的な分量が明示されることもある。ただ、体質や健康の面で、お酒を飲みたくても飲めない人もいるだけに、お酒を注文しなければならない飲食店であれば、予約の際に念を押したり、公式サイトやグルメサイトに記載したりしている。 注文方法にも独自ルールは存在する。あるラーメン店のグループでは、トッピングやボリュームなどのオプションも含めた呪文のようなオーダーを唱えなければならない。