ポルノ、米津玄師、KANA-BOON、優里……『僕のヒーローアカデミア』数々の名曲を生んだストーリーの奥深さ
8月5日発行の『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて、堀越耕平による漫画『僕のヒーローアカデミア』が完結した。ヒーローを目指す高校生・緑谷出久とそのクラスメイトたちの成長、戦い、友情のストーリーが繰り広げられる同作は、コミックスの世界累計発行部数1億部を突破。2016年に放送がスタートしたアニメも現在7期目に突入、劇場版作品も現在公開中の『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』で通算4作目となる、現在の『週刊少年ジャンプ』を代表する1作だ。原作漫画の完結に伴い、一層盛り上がりを見せる『僕のヒーローアカデミア』。本稿ではそんな『僕のヒーローアカデミア』のアニメ主題歌を振り返り、各楽曲と『ヒロアカ』の親和性について考察したい。 【画像】過去にはフィルムライブも開催された『僕のヒーローアカデミア』 ■ポルノグラフィティ「THE DAY」(第1期オープニング曲) アニメ『僕のヒーローアカデミア』の始まりの歌となったのは、ポルノグラフィティ「THE DAY」。ドライブする新藤晴一(Gt)のギターと力強くファルセットする岡野昭仁(Vo)のボーカルが疾走するロックチューンだ。『僕のヒーローアカデミア』における主人公、緑谷出久ことデクは、世界総人口の8割が有し、同時にヒーローになるための必要な素質である“個性”を持たない”無個性”の人間。小柄で大人しく“無個性”でありながら、ヒーローになるための夢を追い続けるデクを「THE DAY」は〈小さき旅人〉と歌う。自身が“無個性”だと示された日のデクの絶望や、ここから始まるデクの歩みを示す「THE DAY」は、『ヒロアカ』のはじまりに相応しい1曲だったと言えるだろう。 ■米津玄師「ピースサイン」(第2期 第1クールオープニング曲) 『ヒロアカ』第2期第1クールのオープニングを飾ったのは米津玄師「ピースサイン」。走り抜けるようなビートと小気味良いディストーションギター、軽快でワクワクするようなメロディが印象的な1曲だ。〈そんなヒーローになるための歌〉というフレーズが分かりやすく『ヒロアカ』の世界観とも合致しつつ、特筆したいのはAメロの〈ただ強くなりたいと願ってた そのために必要な勇気を探し求めていた〉というフレーズだろう。「ピースサイン」が起用された第2期と言えば、雄英高校に入学したデクが体育祭、職場体験、期末テストと学校ならではの行事が展開。第1クールでは「雄英体育祭」がメインに描かれている。単なる学校行事ではなくヒーローの祭典である「雄英体育祭」の最終種目である1対1のガチバトルでは、デクと彼のクラスメイトである轟焦凍の戦いが描かれる。「ピースサイン」では、勝って目標に近づきたい、1番になりたいと共に願いながらぶつかりあうデクや焦凍をはじめ、それぞれ理想のヒーローを目指す各キャラの心情が映し出されている。