新幹線の台車亀裂問題で川崎重工が会見(全文1)ほかの146台にも亀裂
台車枠の亀裂について
小河原:ただ今からご説明を申し上げますけれども、座って説明をさせていただきます。よろしくお願いいたします。 皆さまのお手元にございます資料を読み上げる形で説明をさせていただきます。N700系新幹線車両台車枠について。2017年12月11日、東海道新幹線名古屋駅構内において発生しました西日本旅客鉄道株式会社さま保有の N700系新幹線車両の重大インシデントにおいて、当社製の台車枠にき裂が発生し、以下、き裂発生台車枠、日ごろ新幹線をご利用の皆さま、西日本旅客鉄道株式会社さま、以下、JR 西日本さま、東海旅客鉄道株式会社さま、以下、JR 東海さまをはじめ、関係の方々に、多大なるご迷惑とご心配をお掛けしておりますことを深くおわび申し上げます。 き裂発生の原因につきましては、運輸安全委員会さまにより専門的調査が行われておりますが、当社製のN700系新幹線車両台車枠に関しまして、これまでに判明しましたことと、今後の当社の対応等につきまして、以下のとおりご報告いたします。 これから詳細のご説明に入らしていただきますが、1つだけ用語の定義を事前にご理解をいただくということで、最後のページの4ページ目の最下段にかぎ括弧で用語の定義というふうに書いてございます。「きず」は、溶接部の範囲内に留まっているもの。「割れ」。溶接部を越えて母材にまで入っているきず。「き裂」、きずや割れが疲労により進展し、大きくなったもの、と定義をいたしまして、これからご説明を申し上げます。 1ページにお戻りください。1、き裂発生台車枠の調査結果と製造における不備。当社の車両カンパニー兵庫工場にて、2007年2月に製造した、き裂発生台車枠のこれまでの調査の結果、以下のことが判明しました。括弧1き裂発生台車枠では、強度部材である側バリ下面の板厚が、設計上の寸法8ミリ、加工後7ミリ以上より薄く、最も薄い箇所で4.7ミリで、この事実を受けて社内調査した結果、台車枠部材、側バリと軸バネ座を溶接にて固定する工程において、両部材の隙間を調整するために、平面度が出ていなかった側バリの下面を削り込んだことにより、図面寸法より薄くしてしまいました。 言葉だけではちょっと分かりにくいとこがあるかと思いますので、絵を使いましてご説明を申し上げます。お願いします。これが台車の。 司会:マイクをお使いください。 小河原:すいません。失礼しました。これが台車の写真でございますが、問題になりました側バリは左右にとっておる強度部材でございまして、側バリは台車構成部品の1つで、1台車に2本ございます。車体を支え、走行に関わる重要な部品でございます。 次、お願いします。これが簡単に製造方法を図示したものでございまして、側バリはこの1対のプレスされた部品を抱き合わせる形で1体に整備する。上下2カ所の溶接によって1体にするという構造でございます。このあと機械加工、ここにあります穴開けですとか、端面の仕上げを行いまして、側バリ本体は完成いたします。 で、完成いたしました側バリに部品を取り付けます。下面に問題となりました軸バネ座、これは鍛造品でございますが、これを4つ、溶接で取り付けます。さらに端部のフタ、それからこういう補強材、これを溶接で組み立てます。軸バネ座、フタ、補強を溶接にて取り付けまして、完成するという工程になっております。 これが、天地逆さまになってございますが、側バリの下面に、こういうひし型をした軸バネ座というものを溶接にて固定をいたします。こちらが断面図でございまして、先ほども申し上げた、側バリ、あ、プレスされた、【C型 00:14:18】の部品を2つ抱き合わせて上下に溶接をいたしまして、それに軸バネ座を取り付ける。この取り付ける工程におきまして、側バリ下面と軸バリ座の隙間を0.5ミリ以下で管理をしたということで、このために、本来削ってはいけない側バリの下面の【押さえ部分 00:14:51】、ここを、平面を出すために、削り込んだというものでございます。