投資ブームで重要度が増す「金融リテラシー」…親から子に“生活の中”で伝えたい「お金の基本」と「投資マインド」【FPが解説】
投資には「お金を増やす投資」と今すぐ始めたい「自己投資」がある
そして、投資とはお金を増やす金融商品のことだけではないということを前提に伝えていきましょう。大人でもついつい金融商品の買い方や運用だけに偏ってしまう世間の流れを感じています。『時間』と『お金』を費やすことは共通ですが、これから長い長い人生を歩む子どもには、自分自身に自己投資が大事だと伝えましょう。最もコストパフォーマンスが高い未来への投資です。 キッズマネー講座を開催している筆者が最近特に気になることがあります。講座の中で、お金は貯めることより上手に使うことの方が実は難しいから練習しようねと伝えるのですが、子どもたちは口々に「使わないで貯金する!」と言います。 お金の学びを子どもに伝えたいとの思いで参加下さる保護者の方々なので、きっと貯金は大切と伝えてくださっているのでしょう。もちろんそうなのですが、その貯金の一部を子ども自身が自分の能力をつけるために自己投資をする経験をさせてあげてほしいのです。 長期休みの体験イベントでも、学びになる本の購入でも、金額が負担にならない程度で何でもいいのです。中学生になれば、しっかり伝えることで、自分で将来の自分に何百倍もの効果をもたらすかもしれない可能性や夢に投資をすることの高揚感を理解できるようになるのではないでしょうか。大事なのは、その自己投資での成長に親が気づき、声掛けすることです。自己投資することに自分自身で成長を見出せるようになり継続できたら、何よりの『ジブン資産』形成ですね。
投資される側になるには?人生を考えるきっかけに
自己投資を通して子どもに考えてほしいことが、『投資される側になるには?』という視点です。日本では、貯蓄から投資へ、自助努力で資産形成をと、全世界株や米国企業への投資でお金を増やすという論調が目立っています。しかし、個人資産が増えたとしても、国内預金が海外へ流出するばかりで日本の企業や日本経済の成長に投資しなければ、日本の衰退に歯止めがかからないでしょう。 そこで、子どもたちには『時間』をいう最大の武器をもって自己投資することを伝えていきたいのです。日常の中の「なんで? こうしたらもっと良くなるよね!」という子どもたちの声を、できるだけ拾える親でありたいと思うのです。社会の不便さを解決する新しい製品やサービスを生み出す人材となり日本経済を救う、『投資される側になるには?』を考える教育現場であってほしいですね。
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