高校2年生の娘が「月10万円」の浪費!父親がようやく白状した「言えないお金の使い道」
働き方改革や、部署異動、転職などで毎月の収入が減ったというご家庭は多いと思います。収入を増やす手立てがない場合、そのままの生活を続けたら赤字になってしまいます。家計を圧迫するような「良くない習慣」を断ち切り、新しい収入に合わせた暮らしに変えていくことが大事なのですが、思いがけないことが原因でうまくいかないこともあるのです。(家計再生コンサルタント 横山光昭) ● 家計を圧迫する「良くない習慣」とは 家計の改善が難しい方にはいろいろなパターンがありますが、中には「良くない習慣」が大きく影響することがあります。親が留守の間に子どもがお腹を空かせてはかわいそうだからと、大量のカップラーメンを常備することが習慣化して食費を大きく膨らませていたとか、大きな地震の後、トイレットペーパーなど日用品不足を経験したがゆえに、家族が困らないようにと一部屋を埋めるほどに日用品を買いだめることが習慣となり、家計を圧迫し続けていた、といった相談を実際に受けたことがあります。 家族のことを思って始めた支出がやめられなくなり、不要になっても、過剰になっていても支出を続けてしまう。そのような良くない習慣です。 その時は必要だったとしても、適宜見直しをしていかないと、それは単なるムダになることがあります。支出を始めた理由から考えると、それは本末転倒。まして、これから教育費が必要、老後資金も作らなくては、という状況でこの習慣を続けてしまうと、自分たちの首を絞めることにもなりかねません。 今回紹介するHさんも、良くない支出をやめられなかった一人。Hさんのようなケースは、もしかすると最近多い支出なのかもしれません。
● 夫が体調を崩して部署を異動、収入が減ることに 「営業職の夫(45)が体調を崩し、無理なく働ける部署に移ることになりました。収入が下がるので、家計を何とかしたいのですが」と相談に来たのは、パート主婦のHさん(44)。今までも家計は赤字状態でしたが、ボーナスで補填することで年間収支は何とか黒字を維持していました。しかし、ご主人が部署替えになると職務手当がなくなり、残業も少なくなることは明らかで、さらにボーナスも下がることが見込まれます。このままいくと、年間の収支は赤字になることが予測されるので、赤字をできるだけ作らないように家計を改善したいと希望されています。 ご主人は今までの手取りが約37万円。これからは手取り約25万円ほどとなる見込みです。非常に大きな収入減です。Hさんのパート収入は月に7万円前後。ご夫婦で総額44万円ほどの収入があったのに、今後は32万円ほどに減ってしまいます。 毎月の支出は約54万円で、10万円ほどの赤字でした。この赤字をボーナスで補填するというやり方で、夏冬のボーナスの合計約150万円で毎月足りない分を埋め、残りを蓄えにするという形でやってこられたそうです。しかし、このボーナスも年間100万円を切るほどに下がりそうだとのこと。今のままでは、給与減額後は毎月20万円を超える赤字がでて、それを補填するボーナスも支給されないということになります。家計の改善は急務です。 しかも、Hさんのご家庭には、高校2年生の娘さんと中学1年生の息子さんがいます。特に娘さんは大学進学を希望しているので、あと1年少々で進学費用などが必要。しかし、相談時の貯蓄は預貯金が100万円弱と、積立途中の息子さんの学資保険があるだけ。娘さん分も学資保険をかけていましたが、ご主人の病気治療や生活費補填のために解約しており、かなり生活が厳しくなっているようです。 ● 教育費だけは下げられない、しかし詳細は言えない 家計状況を伺いながら減らせそうな支出について相談をしていきました。全体的に少しずつ減らしていけるように、食費、生命保険料、日用品代、スマホ代と順に削減策を試してもらったのですが、教育費だけはどうしても下げられないと譲りません。 子育て中のご家庭には本当に教育費を大切にしている方も多数いらっしゃいますし、Hさんもその部類だろうかと思いました。ですが、娘さんの学資保険を真っ先に解約している状況からみると、矛盾しているようにも感じます。その解約金をもとに投資で教育費を作ろうなどという前向きな話にはならず、すべてを不足分の補填にしてしまっているようだったからです。