動画配信「エンドロール勝手にスキップ問題」、解決方法は? 調べてみた
動画配信サービスはいまや生活に欠かせない存在だが、使っていて気になる、というか気に食わないことがある。それは、「エンドロールをスキップして次のエピソードを勝手に再生する」ことだ。 【画像】ブラウザで設定画面を表示したところ すぐに次のエピソードを見たい人もいるのはわかるが、「いい話だったなぁ」と余韻に浸りながらエンドロールを見ていたのに飛ばされると“大きなお世話”と感じる事も。実はこの挙動、設定によって調整できるようだ。そこで、主要サービスの対応可否を調べてみた。 ■ Amazon Prime Video まずAmazon Prime Videoだが、「設定できる」。 ブラウザでAmazon Prime Videoにログインし、画面右上の人物アイコンから「アカウントと設定」→「プレーヤー」と進んでいくと、「自動再生」のオン/オフが切り替えられる。ちなみに「自動再生」がどんな機能かというと、「次のビデオを自動的に再生します。TV番組は視聴中のエピソード終了後、次のエピソードが自動的に始まります」と説明されている。 スマホアプリの場合は、同じく人物アイコンから歯車アイコンをタップして「Prime Videoの設定」に入ると、「オートプレイ」のオン/オフを切り替え可能。これも「次のエピソードを自動的に再生」する機能だ。 エンドロールに入ると画面右下にワイプが表示されると思うが、これがデフォルトだと、カウントダウンで勝手に次のエピソードが再生される状態になっている。 「自動再生」もしくは「オートプレイ」をオフにした場合、ワイプは表示されるがカウントダウンされない。手動でワイプをクリック/タップすることで、次のエピソードが再生される状態にできるわけだ。 注意点として、同じAmazonアカウントでログインしていても、ブラウザの設定とスマホアプリの設定がうまく連動しないことがありそうだ。筆者が試してみたところ、ブラウザで「自動再生」をオフに設定した場合、スマホアプリ上の「オートプレイ」は“見た目上オン”になっていた。つまり、実際にスマホアプリで動画を再生してみると、自動再生されない状態になっているのだ。 ではスマホアプリで「オートプレイ」をオフ、ブラウザで「自動再生」をオンにした場合はどうか。このときは、スマホアプリではスキップされない、ブラウザではスキップされる、という状態になった。いずれにせよ、ご自身の環境でスキップされる状態の場合、上記の設定を確認してみてほしい。 ■ Netflix Netflixは、「設定できる」。 手順としては、ブラウザの場合はユーザーアイコンから「アカウント」→「設定の変更」→「再生設定」と進む。すると、「すべてのデバイスでシリーズの次のエピソードを自動再生する」という項目をチェックするかどうかで、オン/オフを設定できる。 スマホアプリでは、「マイNetflix」→「メニュー」→「プロフィールの管理」と進むと、「次のエピソードの自動再生」のオン/オフを設定できる。 これにより、エンドロール画面に入った際に、「クレジットを観る」「次のエピソード」というアイコンは表示されるが、自動でスキップされることはなくなる。 ■ U-NEXT U-NEXTは、「設定できる」。それも、他のサービスよりも行き届いた設定が可能だ。 ブラウザでは、まず動画を再生して、マウスを動かすと表示される「設定」アイコンをクリックするとスキップのオン/オフが選択できる。 スマホアプリは、人物アイコンから「プレーヤー設定」に入ると、「スキップ機能」という項目からエンドロールをスキップするかどうか設定できる。 U-NEXTの場合、オープニングとエンドロールの両方をスキップするかどうか選べる。さらに、「自動スキップ」「手動スキップ」「スキップしない」を選択できるのがポイントだ。 「自動スキップ」と「手動スキップ」は他のサービスと同様、「オープニングをスキップ」「次のエピソード」というアイコンが表示され、カウントダウンが進むかどうかの違いとなる。 「スキップしない」を選択すると、このアイコンがそもそも表示されなくなる。この表示はかなり邪魔だったので、これだけでもU-NEXTを選ぶ理由となるくらいに大きなメリットと言っていいだろう。 ちなみに「スキップ機能」の項目にある「再生終了後に次話を再生」という機能をオンにしておくと、エンドロールもすべて再生し終わったあとに、ワイプとカウントダウンが表示されるようになる。 なお、U-NEXTではスキップ機能について「対応作品は順次拡大中」という表記があり、作品によっては機能がうまく動作しない可能性があるようだ。 ■ hulu huluは、「設定できる」。 ブラウザからは、U-NEXTと同じく動画を再生して、マウスを動かすと表示される「歯車」アイコンをクリック。メニューのなかの「連続再生」からオン/オフが設定可能だ。 アプリの場合、「アカウント」→「アプリ設定」と進み、「連続再生を有効にする」からオン/オフを設定できる。 huluは「連続再生」をオフにすると、ワイプやアイコンが表示されなくなるのは良いところ。一方で、例えばエンドロールのあとに少し本編が入るようなケースでは、「本編へスキップ」というアイコンが表示されてしまう。これはオープニング/エンドロールをスキップするための機能で、対応作品には基本的に表示される仕様となっている。 また、「連続再生」がオンになっていても、次のエピソードに飛ぶまでにある程度の猶予があるのがhuluの特徴だ。「連続再生」がオンの状態でエンドロールに入ると、ワイプとカウントダウンが表示されるのは他サービスと同様だが、他サービスはカウントダウンが5秒程度なのに対して、huluの場合は作品によりマチマチだが、30秒のこともあれば、90秒超えのケースも確認できた。これはエンドロールの長さがどの程度かに左右されるようだ。 なお、ブラウザとアプリの設定はお互いに共有されなかったので、両デバイスでhuluを利用しているユーザーはそれぞれに設定が必要と思われる。 ■ ABEMA ABEMAだが、「設定できない」ようだ。 ただ、ABEMAの場合は少し事情が特殊でもある。自動再生のオン/オフはできないものの、エンドロール中にはワイプは表示されてもカウントダウンはされない。作品を最後まで再生し終わったあとに、10秒のカウントダウンを経て次のエピソードが再生される。 もちろんワイプ表示されるのは邪魔なのだが、自動再生についてはあまり強制感がないので、その点はまだマシと言えるかもしれない。 ■ Disney+ Disney+は、一応は「設定できる」。 ブラウザとアプリで手順は共通となっており、「プロフィールを編集」に入ると「再生と言語の設定」という項目があり、そこから「自動再生」のオン/オフが設定できる。ちゃんとデバイス間で設定も共有されるようだ。 しかし、自動再生がオフにできたところで、Disney+には大きな問題がある。ブラウザやテレビのアプリから確認したら、他サービスはどれも「再生されているエピソードが全画面で表示され、次のエピソードに促すためのワイプやアイコンが小さく表示される」仕様となっているのに対し、Disney+は逆に「再生されているエピソードがワイプで小さく表示される」のだ。 気が削がれるという面では、自動再生で飛ばされるとかの比ではない。最初に“一応”と書いたのは、これがクリアできないからだ。なお、スマホアプリで視聴すると、他サービスと同様の表示となった。 ■ さらなる設定の充実を希望 ここまで調べた限り、主要な動画配信サービスでは対応状況がだいぶ進んでいることがわかった。 一方で、エンドロールスキップのワイプやアイコン表示が消せたり消せなかったりと、サービスによってバラツキもある。ほかにもオープニングのスキップ表示を消せるのは、今回調べたなかではU-NEXTくらいだったが、これは全サービス追従してほしいところだ。 とはいえ、以前よりはどのサービスも改善されていると思う。配信作品数もどんどん増えているし、今後もさらに使いやすく進化していってほしい。
AV Watch,小岩井 博