「今何かすれば間に合う」 和泊町で方言研修 「消滅危機」のシマムニ継承へ
シマムニ(沖永良部島方言)継承に向けた研修会が16、26の両日、鹿児島県和泊町であった。国立国語研究所准教授の山田真寛さんが講話。「消滅危機言語」とされる同島の方言の現状を解説し、「今何かすれば十分間に合う」と継承に向けた対策を助言した。 和泊町と国立国語研究所の協定に基づく研修。16日は町職員対象で島ムニ継承推進協議会が主催し24人、23日は島むにむんちゃの島むに保存会が主催し、一般も含め12人が参加した。町教委によると、勤務時間内にシマムニ継承を目的とした職員研修を行うのは初めて。 講話で山田さんは、島内で行った調査の分析結果を示し▽流ちょうな話者を65歳以上とすると、約4400人(総人口の約35%)が使用▽30代以下への世代間継承が断絶▽多くの40~50代は流ちょうに話せなくても聞いて理解できる▽島民の約90%が継承を望んでいる―と、今対策を講じれば継承できることを強調した。 シマムニを残すためにできることとして▽話せる人は家庭外、違う集落の人、友達以外、改まった場面など使う領域を広げる▽できる範囲でシマムニが分からない人をサポートし、仲間外れをつくらないよう気を付ける▽誰から習ったか記録し、異なる島内方言を混ぜない―などと助言した。 講話の合間には方言の聴解力テストも行った。参加した町職員の有馬來夢さん(23)は「シマムニは単語を少し知っている程度。町内でも明らかに話せる人が減ってきていると感じている。まずは分かる方言を使う機会を増やしていきたいと思う」と話した。