タクシー不足解消に向けて「新人タクシー運転手増加」の功罪 利用客は「同じ料金なのにストレスが貯まる」と困惑、地理試験廃止で質の低下を懸念する声も
ナビがあっても難しいことも
埼玉で10年ほど、東京で20年以上タクシー運転手をしているという大ベテランのAさん(60代・男性)は、「タクシー運転手の質は間違いなく落ちている」と話す。 「地理試験はかなり難しく、私が受けた当時の合格率は半数以下でした。それが無くなったのは驚きましたけどね。廃止された後は、道を知らないドライバーによるお客さんとのトラブルもよく耳に入ってきます。ナビがあったとしても、ナビによってはその時に最適なルートを指示できるとは限らない。、都心は一方通行や時間帯による混雑など、細かい道路事情を知らないとスムーズに行けないことも多い。 もちろん誰でも最初は新人なので、文句を言われながら覚えていくしかないのですが、必死に道を覚える努力をしているわけでもなく、サービス業という意識も低下しているドライバーも増えているように思います」 新人ドライバーは「新人」などと書かれた腕章をつけており、乗車する際にはそれとわかることも多い。そうした場合、利用者も普段よりほんの少しコミュケーションの時間を長くとれば、トラブルが防げることもあるだろう。タクシー不足の解消には利用者側の理解もある程度必要なのかもしれない。(了)