「やばいやばい延焼する」大みそかの夕方、住宅街騒然 東京・墨田8棟火災2人死亡
「火の勢いがすごかった」-。東京都墨田区押上で31日夕方に発生し、2人が死亡した住宅火災。家族で過ごす人も多い大みそかの夜、住民らは消火活動や避難などを余儀なくされ、新年を待つ住宅街は騒然となった。 【写真】住宅から出火し、消火活動を行う消防隊員ら 「近くに住む女性が『やばいやばい延焼する』と叫んでいた。『パパ、早く車出して』と言って避難していた」。火災のあった家のすぐ近くに住む男性(49)は出火当時の緊迫した状況を話した。男性は爆発音と家が崩れる音も聞こえたため、「息子と慌てて避難した」と疲れ切った様子で話した。 爆発音が聞こえたと話す人は多く、近くの公民館が住民の避難のために開放された。 現場は住宅密集地で当時は風が強く、数分間で火が燃え広がったという。近くに住む特別支援学校教諭の坂本慎二さん(44)は「窓を開けてみたら雲のように煙が出ていた。急いで外に出てみたら火の粉が舞っていて冬なのにとても熱く、近所のママ友やパパ友が延焼防止のために自転車などに水をかけていた」と緊張した様子で話した。 現場から近い親戚の家に来ていたという江東区に住む50代の男性会社員は「煙の匂いがしてきて騒々しくなったのですぐに火事だと分かった。とても怖い」と顔をこわばらせた。