小林りんごを輩出した創設47年の卓球クラブ・宮古Jr. 「卓球以外の当たり前のことも大事に」小林みちる代表の思い
岩手県宮古市を中心に小中学生の卓球プレーヤーを育成するクラブチーム「宮古Jr.(ミヤコジュニア)」。 現在、代表を務めるのが、このチーム出身の小林みちるさんだ。小林さんの娘・りんご(青山学院大学)、息子・レオ(盛岡第三高等学校)も宮古Jr.で育ち、全国の舞台で輝かしい成績を残している。 今回は小林さんに、チームの特徴や大事にしている指導方針についてお話を伺った。
創設47年の歴史あるチームで指導歴は37年
――小林さんの指導者になるまでの経歴を教えていただけますか? 小林みちるさん:私は6歳で卓球を始めて、地元の中学校を卒業後、盛岡にある私立高校でプレーしていました。 その後は東京の淑徳大学短期大学部で2年間プレーし、卒業後は地元に戻って働きながら卓球の指導をしています。戦型はカットマンです。 ――大学卒業後も全日本マスターズ30代の部で優勝されるなど、成績を残されていますが、指導歴としてはどれくらいなのでしょうか? 小林みちるさん:36歳までは選手として活動していて、地元から国民体育大会(現・国民スポーツ大会)や全日本卓球選手権に出場していました。 選手としてプレーしながらも、土日と平日の仕事が終わった後19時までは子供たちの指導も並行して行っていました。そのため、指導歴は今年で37年目になります。 ――宮古Jr.はいつ立ち上がったチームですか? 小林みちるさん:私が10歳の時に母と同じチームの方々で立ち上げて、創設から47年になります。 小中学生のときは私もチームに混ざって練習をしていました。今ほど練習日数は確保できていなかったようですが、小中学生何人かで練習していた記憶があります。
「子供たちに卓球を好きになってもらうことが一番」
――チームの雰囲気や練習について教えていただきたいです。 小林みちるさん:主に学区内の小中学生が所属していて、今は15人ほどの選手がいます。兄弟みたいな雰囲気で、とても仲良く活動しています。 練習は平日4日間で各2時間、土日は半日練習です。自分たちの練習拠点がないので、小学校や中学校の体育館を借りて活動しています。卓球台の準備から片付けも含めて2時間なので、練習時間はそんなに長くはありません。 ――雰囲気づくりや指導にあたって気を付けていることはありますか? 小林みちるさん:子供たちに卓球を好きになってもらうことが一番だと考えており、そこを重視しています。 加えて、今は子供たち1人ずつと面談をして、目標を聞いています。目標自体が定まっていない子もいれば高い目標を持っている子もいるなど様々なので、その声を基にチーム全体の練習や指導のバランスに気を配っています。 また、私自身は卓球の技術指導に長けているわけではないので、卓球以外の部分も含めて指導にあたっています。 ――卓球以外の部分というと具体的にはどういうところでしょうか? 小林みちるさん:例えば、チームで行動するので、「ルールを守る」「思いやりを持つ」「上級生が下級生をお世話をする」「キャプテンが全体を見る」といったことです。 また、私は昭和の人間なので、「練習に来たら靴をそろえる」「挨拶や返事をする」「片付けなど仕事を自ら率先してやる」という基本的なことは厳しく指導しています。卓球以外の当たり前のことも、しっかり身につけてほしいという思いがあります。 ――どこに行っても役に立つ人間力の部分ですね。 小林みちるさん:正直に言うと、ここで練習しているだけで卓球で食べていけるようになるのは難しいと思うんです。 だからこそ、どんな世界でも必要となる挨拶や気遣いといった部分については口酸っぱく言っていますね。