路線バスに宿泊できる! その名も「ばすてい」ってどんなサービス?
小田急グループの東海自動車株式会社は、営業終了したバス案内所と路線バスの車両をリノベーションした宿泊施設「ばすてい」の営業を開始した。車中泊ならぬバス中泊、案内所泊ができるという新サービスを紹介しよう。 【画像】そこがベッドになったか!バスが生まれ変わった姿はこちら。
バスと案内所に宿泊できる「ばすてい」とは
「ばすてい」は、”バスと過ごす”をコンセプトにした1日1組限定の宿泊施設。「バス」と「ステイ(過ごす)」を合わせて「ばすてい(=バス停)」と名付けられた。営業終了したバス案内所「宇久須(うぐす)案内所」と路線バスの引退車両を、宿泊施設へとリノベーションした施設だ。 宇久須案内所は、築73年の木造亜鉛メッキ鋼板葺平屋建ての建物で、延床面積は71.90平方メートル(21.75坪)。鉄道との直通乗車券を販売する「宇久須駅」の愛称で親しまれてきたが、2022年3月31日に案内所としての役目を終了した。木彫りの看板を掲げた趣ある雰囲気が特徴。 路線バスは、東海バスグループが所有していた最後の車両「いすゞ・ジャーニー」(初年度登録1999年、中型バス)。主に沼津、三島地区で24年間、路線バスとして活躍した車両。塗装は、現役車両とは違う、かつて伊豆半島各地を走っていたレトロカラーに変更された。
待合室がダイニング! カウンターがキッチンに
旧案内所と路線バスはいったいどのように生まれ変わったのだろうか。 旧案内所の待合室だった場所は、飲食が可能なダイニングルームにリノベーション。内装の見た目は、当時とほとんど変わらないように補修。木のベンチや、図書室のように本を自由に手に取れる書棚も復元された。 案内所のカウンターと事務室だった場所はキッチンになった。営業当時は観光案内や乗車券の販売をしていた、スタッフしか入れなかった場所で調理をするのは、少し不思議な気分になることだろう。また、食材を事前予約すると、地域の民宿や漁協の協力のもと海の幸を盛り込んだ食材セットが用意される。 倉庫などとして使われていた部屋は、浴室・トイレ・洗面などの設備とベッドルームになっている。