日本トスティ歌曲コンクール優勝のバリトン歌手・森翔梧さんが国際大会本選で3位
奈良市の日本トスティ協会(NPO法人奈良芸能文化協会内、狹川普文会長)が2023年10月に同市の秋篠音楽堂で開催した声楽のコンクール「日本トスティ歌曲コンクール2023」で優勝したバリトン歌手の森翔梧さん(31)=高知県出身、東京都在住=が、イタリアで昨年11月28日~12月1日(現地時間)に開催された「第7回トスティ歌曲国際コンクール」(イタリアトスティ協会主催)で第3位入賞を果たした。日本トスティ協会が発表した。 [写真]第3位の賞状を手に笑顔を見せる森翔梧さん=12月1日、イタリア・オルトーナのトスティ劇場(日本トスティ協会提供)
数百曲もの歌曲を残したイタリアの作曲家フランチェスコ・パオロ・トスティ(1846~1916年)の歌曲の歌唱力を競うコンクールで、トスティの生誕地であるイタリア中部の都市オルトーナで、4年に1度開催されている(コロナ禍の2020年は中止)。日本トスティ歌曲コンクール2023は同国際コンの日本予選として実施され、森さんは日本代表として「本選大会」出場した。 コンクールにはイタリア国内外から40歳以下の若手声楽家38人が出場。1次、2次の審査を通過した6人と、日本代表として1次・2次審査を免除された森さんの計7人が最終審査に臨み、トスティ歌曲を1人4曲ずつ歌唱。森さんはイタリア歌曲「夢」「苦しみ」「プルチネッラは死んだ…」とフランス歌曲「別れの歌」を歌った。 森さんは3位という結果に「トスティの本場イタリアでこのような評価を頂けて大変うれしい。これを励みにより良い歌を歌えるよう精進します」とのコメントを寄せた。
優勝したのはイタリア人ソプラノ歌手のアレッシア・パンツァさんで、日本トスティ協会はパンツァさんに「日伊文化交流日本トスティ協会賞」を授与。今年8月に奈良と東京で開催する演奏会にパンツァさんを招へいする。 同協会の吉川朋子事務長は森さんの入賞に祝辞を送るとともに「いっそうトスティ歌曲を歌って広めていただきたい。そしてトスティ歌曲を歌う若い人たちが増えていってくれれば」と期待を寄せた。 またイタリアトスティ協会とは1996年から交流があり、「およそ30年間の友好を育くんできた日本および奈良とイタリアとのトスティ歌曲を通した音楽・文化交流を、今後も皆様のご支援をいただきながら継続していきたい」と話している。