【動画解説】新紙幣にみる夏の天気の注意点 葛飾北斎の神奈川沖浪裏に描かれた夏を象徴する波と雲
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きょう3日は新紙幣発行となりました。千円札の裏には葛飾北斎の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」が採用されています。神奈川沖波裏には、夏を象徴する波や雲が描かれていて、夏の天気の注意点を読み取ることができます。
神奈川沖浪裏は、東京湾から見た風景を描いたと言われいてるため、実際にはこの場所ではありえない波の高さで、北斎がデフォルメしたと考えられています。ただ、夏には土用波という注意が必要な波があります。夏の土用の時期にしばしば起こる大波で、遠くにある台風のうねりが原因です。風がなかったり晴れていることもあるため、海水浴などの際には注意が必要です。
また、今回のお札では隠れてしまっていますが、空にあるのは積乱雲のようにも見えます。積乱雲の特徴は、てっぺんが平らで、時にオーバーシュートと言われる盛り上がった部分があることです。葛飾北斎は季節を描こうとした浮世絵師だったので、今の定義でいう夏を象徴する土用波と積乱雲のイメージで描いたのかもしれません。
西日本と東日本では、木曜日まで晴れて気温が上がり、真夏のような天気になりそうです。木曜日の午後は、関東北部を中心に積乱雲が発達し、にわか雨や雷雨があるかもしれません。ご注意ください。 (気象予報士・長谷部愛) 参考 長谷部愛(2024)、天気でよみとく名画、中央公論新社。