過激派の「放火」から復旧 テスラ、ベルリン工場の稼働再開 マスクCEOも怒り心頭
予想より早かった送電線の修理
テスラは3月12日、ドイツ・ベルリンの生産工場の稼働を再開した。過激派団体が近隣の送電線に放火したことを受け、5日から稼働停止していた。 【写真】世界で最も売れている電気自動車【テスラ・モデルYを写真で見る】 (20枚) 再開まで時間がかかると見られていたが、損傷した送電鉄塔の修理は予想よりも早く進んだ。 ドイツのエネルギー会社E.DISのアレクサンダー・モンテバウル社長は、ソーシャルメディア上で「週末に24時間体制で集中的な作業が行われ、本日、数時間に及ぶ大規模な高電圧測定が行われた」と述べた。 ベルリン工場の1週間の閉鎖によるテスラの損害額は不明だが、工場の従業員1万2500人にけがはない。 送電線の火災は、ヴォルケーノ・グループ(Volcano Group)と名乗る過激派団体による放火と見られている。同団体はテスラのイーロン・マスクCEOを「テクノ・ファシスト」と呼び、犯行声明を発表している。 団体は、テスラの工場と近隣の町に電力を供給している送電鉄塔に火を放ち、一帯を停電させた。工場には燃え移らなかった。 イーロン・マスクCEOはこの事件を受け、X(旧:Twitter)に次のように投稿した。 「彼らは地球上で最も愚かなエコ・テロリストか、優れた環境保護目標を持たない人々の操り人形だ。化石燃料車ではなく、電気自動車の生産を停止するのは、極めて愚かなことだ」 ベルリン工場は欧州初のギガファクトリーとして2022年3月に開所し、モデルYとEV用バッテリーセルを生産してきた。
ジョナサン・ブライス(執筆) 林汰久也(翻訳)