【バスケ】“下剋上ストーリー”は終わらない 広島ドラゴンフライズ、堅守と3Pで崖っぷちから1勝1敗のタイに戻す
下剋上ストーリーは終わらないーーー。 第3Qの残り7分39秒。この試合最大となる11点ビハインドを背負った広島ドラゴンフライズが、タイムアウトを取った。 琉球ゴールデンキングスに0ー7のランを許し、第2Qから続く勢いが止められない。前日に先勝されて迎えたBリーグチャンピオンシップ(CS)ファイナル第2戦。広島は、ここで踏ん張れなければシーズンが終わりかねないという正念場を迎えていた。 「ディフェンスを激しくしないといけないということと、ボールを大切にしてターンオーバーをしないこと。チームが後半に強いのは自分たちも分かっているので、流れがつかめると思っていました」(山崎稜) オレンジ色に染まった広島側観客席からの熱い応援にも背中を押され、シーズン終盤で何度も見せてきた”逆転の広島”が目を覚ます。
“Xファクター”上澤の連続ポイントで勢い
試合再開。エースのドウェイン・エバンスが3Pで反撃の狼煙を上げると、琉球がターンオーバーや連続ファウルで流れを失う。その隙を見逃さずにフリースローや山崎の3Pなどで追撃し、14ー0のランをやり返して一気に逆転した。 48ー47の1点リードで入った第4Qは、帰化選手の河田チリジを含めて3BIGで入り、高い強度のスイッチディフェンスで簡単に得点を許さない。すると開始から約2分半、立て続けにビッグショットが生まれる。放ったのは、第1戦で無得点だった上澤俊喜だ。 ドライブを仕掛けたケリー・ブラックシアー・ジュニアからのキックアウトを受け、右コーナーから3Pをヒット。さらにアレン・ダーラムのチェックを受けながら、エルボー付近からプルアップのミドルジャンパーを沈め、リードを7点に広げてタイムアウトを取らせた。 「シュートを打つことは僕の仕事なので、そこはぶれずに、打てる場面ではどんどん打っていこうと常に思っています。消極的にならずにいったからこその得点だったと思います」と振り返る上澤。“Xファクター”の活躍で広島はさらに勢いを増し、その後も各選手が内外でバランス良く加点して最後までモメンタムを維持した。 結果は72ー63。勝敗数を1勝1敗のタイに戻し、優勝に逆王手を掛けた。