九州電力、玄海原発の「緊急時対策所」公開…重大事故時の指揮拠点「使用することがないよう安全運転」
九州電力は29日、玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)で建設を進めていた「緊急時対策所」を公開した。重大事故が発生した際の指揮拠点として新規制基準で義務づけられており、原子力規制委員会の審査を経て月内にも運用を始める。 【写真】九州電力玄海原子力発電所
対策所を含む建物は地上2階・地下2階建ての耐震構造で、延べ床面積は約6000平方メートル。内部には、福岡市の九電本店とテレビ会議をしたり、原発敷地内の設備を確認したりできる大型モニターを設置した。休憩室や医務室などもあり、自衛隊員や消防隊員らを含め300人以上が一度に入れる機能を備えた。
同原発では2013年から、新規制基準を踏まえた「代替緊急時対策所」を運用している。同原発の福山浩之次長は「(今回の対策所で)事故時の対応能力を高められるが、実際に使用することがないよう安全な運転に努める」と述べた。
玄海原発での重大事故の対策では、福岡、佐賀、長崎の3県などが毎年、防災訓練を実施している。玄海原発が立地する佐賀県では昨年、住民や自治体職員約3万人が参加して、避難の仕方や情報伝達の方法などを確認。今年も11月30日に行われる予定という。