「夢や希望はいくつになっても、障がいの有無に関係なく、生きる糧になる」金子エミが子育てで絶対に心がけていたこと
実際に、次男はなんでも自分で考えて自分でやっていましたね。小学校5年生まで続けていた水泳も、「勉強が大変になってきたからやめる」と自分で決めました。 ── 言葉がけで、前向きな思考を伝えられたのですね。 金子さん:学校でも社会でも、いろいろなことがあるじゃないですか。そういうとき、何事もポジティブに変換する力さえ身についていれば、何があっても、私から手が離れてからも、大丈夫だと思うんです。それには、小さい頃からの前向きな言葉がけが大事で、親にできることはそれくらいだと思っています。
そうはいっても、前向きになれないときもありますよね。私は自分のことではあまりくよくよ悩まないんですけど、子どものことはそうはいかなくて、悩みが尽きません(笑)。
■26歳と20歳、ふたりの息子たちの将来に思うこと ── ご兄弟の関係はどんな感じですか。 金子さん:兄弟は仲がいいですね。ふたりが小さい頃、公園で海人が小さい子に近づいたら「こわい!」と言われてしまったことがあるんです。海人はショックで泣いてしまって。それを見ていた律心はそのときは我慢していたんですが、家に帰ってきたときに「カイちゃんがかわいそうだった」と泣いていました。リオの高校の卒業式では、海人のほうが感動して泣いていました。
── すてきなご兄弟ですね。 金子さん:海人は26歳で、アスリートとしてはセカンドキャリアを考えないといけない時期です。最近は、水泳の練習も続けながら、「村井カイト」として演技の勉強も始めています。本人は演技をしているとは思っていないようで、「演技の勉強、どうだった?」と聞くと、「あれは演技じゃないよ」と言うんですけど(笑)。もしドラマや映画に出演する機会があれば、チャレンジしてほしいと思っています。
律心は大学2年生です。私が海人の朝練と夜連につき添っていたので、律心はずっとひとりで食事をしていたんですけど、将来のことを考える時期で、不安なこともあると思います。今まで海人にかかりきりになっていたぶん、一緒に考えられたらと思っています。 ── ご自身がこれからやりたいことはありますか。 金子さん:これまでは子どもたちを育てることで必死で、自分のことは「さておいて」しまっていました。まさか自分が、最低限のスキンケアをするだけで、ノーメイクで過ごすことになるとは思ってもいませんでした。これからは、仕事も含めて、自分の時間も大事にしていきたいですね。