「紅麹」が引き起こす可能性がある「ファンコーニ症候群」とは? 腎臓専門医に聞いてみた
紅麹を含むサプリメントが腎障害を引き起こすリスクについて多くの報道がなされていますが、具体的にはどのような腎障害を引き起こすと考えられているのでしょうか。まだ決定的な情報が得られていない中ではありますが、日本腎臓学会の報告をもとに、紅麹に関して知っておくべき情報や、身近な健康の味方であるサプリメントとの上手な付き合い方について、日本腎臓学会専門医の天野方一先生に解説していただきました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
紅麹と腎障害の関係について
編集部: 紅麹が腎障害を引き起こすというのは事実なのでしょうか? 天野先生: 紅麹に含まれる成分が腎臓病を引き起こす可能性についての報道がありますが、この主張にはまだ科学的根拠が不足しています。紅麹は伝統的に健康食品として利用されてきたものですし、前提としてどのような食品やサプリメントであっても過剰摂取は避けるべきです。現在のところ、紅麹が腎臓病を直接引き起こすかどうかは明確ではありませんが、安全性についてさらなる検証が必要だと考えています。 編集部: 紅麹以外のサプリメントや薬が腎障害を引き起こすことはありますか? 天野先生: 「サプリメントや薬が腎障害を引き起こすこと」は必ずしも珍しいことではありません。多くの薬剤やサプリメントは、腎臓を介して体外に排出されます。そのため、特定の薬剤やサプリメントは過剰に摂取することで腎臓に負担をかけ、時には腎障害を引き起こす可能性があります。とくに、腎機能が既に低下している人では、腎臓への影響がより顕著になることがあります。 編集部: 紅麹を飲んでいる人で起こったとされている腎障害について教えてください。 天野先生: 正確な病態はこれから明らかになるものと思われますが、日本腎臓学会による中間報告では「ファンコーニ症候群」に似た症状が出たと報告されています。また、腎臓の生検では尿細管間質性腎炎、尿細管壊死、急性尿細管障害が主な病変として認められています。 ※参照:日本腎臓学会【「紅麹コレステヘルプに関連した腎障害に関する調査研究」アンケート調査(中間報告)】