質問「空き家の実家に思い入れがあり片付けが進みません」 - 我知(がち)ーお坊さんに聞いてみる(2024年12月17日)
本当に片付けなければいけない時は、いつか来ることでしょう。その時はその時のことで、その時に考えればよいのだと思います。執着してしまうことなんて、ごくごく普通のことです。実家ですから、執着しない方が不自然です。執着してしまうことによって、質問者さまは心の充電をされているようにも感じます。ですから、もっともっとご実家に執着されて、ごきょうだいに遠慮なさらずに、今よりも自由な気持ちになられて、心の充電を存分にされたらいかがでしょうか。 ここからは少し現実的なこととなります。このご実家の名義が何方なのかということです。名義が質問者さまご本人であれば、これはあくまでも割り切って考えた場合ですが、ご実家のことは、どのようにでも、自身の思うままにすればよいということになります。しかしながら、ごきょうだいの何方か、あるいは、何方かとの共有名義であったりした場合ですと、これは慎重に話を進めなければならないということになるでしょう。
今回のご質問だけの情報では、その辺りのことが分かりかねますので、お答えするのが難しいところもあるのですが、とにもかくにも、焦らずに、ごきょうだいともよくお話しをされつつ、ご自身の気持ちも大切になさって、これからもご実家にお帰りになって、ホッと一息ついていかれたらよいのです。 そうこうしているうちに、心の折り合いもついてきますから、ご安心を。心の折り合いなんて、自分自身でつけられるものではありませんから。質問者さまとそのごきょうだい、それぞれのご実家への思いが、素晴らしい結果となって円満成就いたしますことを、本紙面をお借りし、心よりお祈り申し上げる次第です。 【我知(がち)ーお坊さんに聞いてみる】 奈良の僧侶が悩み相談や質問に答えるコーナー。お坊さんに相談したい、 仕事や人間関係、恋の悩み、人生相談や信仰・仏教の教え、お寺への質問などが対象です。お坊さんへの質問を募集しています。採用は弊社と回答者で判断し、掲載の有無や掲載日についてお答えすることはできませんのでご了承ください。
【回答者】 興福寺 辻 明俊さん 金峯山寺 五條 永教さん 秋篠寺 堀内 瑞宏さん 宝山寺 東條哲圓さん 【掲載日】 毎月第1、3水曜日「暮らし」のページ・奈良新聞デジタル