桐蔭3番手の内田悠斗

＜第106回全国高等学校野球選手権和歌山大会：桐蔭4－0和歌山工＞16日◇2回戦◇紀三井寺公園野球場 【一覧】全国スーパー1年生リスト 　春夏合わせて3度の全国優勝の経験を誇る伝統校の桐蔭が完封リレーで初戦突破した。 　先発を任されたのは背番号10の中尾綾佑（2年）。最速142キロの速球を投げる本格派右腕だ。 　この日も130キロ台後半のストレートを勢い良く投げ込んだが、「初回から力が入りすぎた」と6回中5回で先頭打者の出塁を許す苦しい投球となる。 　それでも「ピンチになったら周りを見て、みんながいるということを確認したので、慌てることなくいつも通りピッチングをすることができました」と要所で踏ん張り、和歌山工に得点を許さなかった。 　中尾は6回を投げて4安打3四球4奪三振で無失点。打っても3打数3安打2打点と活躍を見せ、3点リードの6回裏には二死二塁から適時二塁打を放った。 　7、8回はエースナンバーの白川大晴（3年）が無失点に抑えると、9回には公式戦デビューとなる1年生の内田悠斗が登板。「物怖じしないような性格。1年生とか関係なく、横並びで見て、投げられると思って投げさせています」と矢野健太郎監督は信頼して送り出した。 　自らの持ち味を「強気なピッチングです」と話す内田は一死から四球で走者を出すも130キロ台中盤のストレートとスライダー武器に2三振を奪って無失点。緊張感のある最終回のマウンドも「楽しかったです」と振り返り、強心臓ぶりを垣間見せた。 　身長177㎝、体重61㎏とまだ線は細いが、既に最速は137キロをマークしているという。一冬越えて体ができてくれば、来年には140キロ台に到達していてもおかしくない。 　一昨年準優勝、昨年4強と古豪復活の気配が漂う桐蔭。下級生投手の存在がそれをさらに後押ししそうだ。