宮城県が進める「ムスリム土葬墓地計画」に不安の声...なぜ必要?イスラム系住民と考える弔いの多様性
「批判があってもこれはやらなければならないと思っている」(YouTube「宮城県公式動画チャンネル」12月23日) 【映像】日本で行われた土葬の様子(実際の映像) 宮城県の村井嘉浩知事が批判覚悟で必要性を訴えたのは“土葬の墓地”。日本で働く外国人が増える中、宗教上の理由で火葬ができないイスラム教徒(=ムスリム)の人たちのため、土葬ができる墓地の検討を始めた。現在、土葬可能な墓地は全国で約10カ所で、宮城県知事によると、東北には1カ所もない。 しかし、この計画に反対の声が殺到。12月21日から25日だけで風評被害や環境への影響を危惧する約400件の意見が、県内外から寄せられているという。ネットでは「土葬自体は否定しないが、身近にできたら嫌だ」「なぜ外国人のために、死ぬ場所まで提供するの?」「日本の文化が嫌なら帰国した方がお互いのため」との声があがっている。日本に住むイスラム教徒とともに、土葬墓地の必要性と解決策、弔いの多様性について『ABEMA Prime』で考えた。
■なぜ土葬が必要か
「宮城イスラム国際共同霊園をつくる会」代表のソヨド・アブドゥル・ファッタ氏によると、コーラン(イスラム教の聖典)には土葬と死後の復活に関する記述がある。しかし、東北地方には墓地はゼロで、関東まで手続きすると費用がかかってしまい、現実的ではない。こういった理由で、東北地方での土葬は必要だと考えている。 ソヨド氏は「イスラム教、キリスト教などの人たちは、土葬でないと埋葬できない」といい、「日本に帰化しているので、私は自分の国に帰ることがない。亡くなったらどこに埋葬すればいいのか。日本ではないと、私の子どもたちはお墓参りができない。親としても、子どもとしても、日本で私を埋葬してほしい。宗教に基づいて土葬にしてほしい」と話す。 さらに、「死んだ後は宗教に基づいて動く。土葬は昔から当たり前のことであり、それがルールとなっているから、コーランやイスラムに違反することはできない。本当の心を持って信じているイスラムの人は、最期までルールを守りたい」と願った。