「騒いだら殺す」就寝中に突然キス 侵入者は隣人だった わいせつ目的の女性暴行で罪に問われた男の「不合理な弁解」
「女性と交流があった」という男の主張に関しても、具体的な会話内容を覚えていない点や「連絡先を交換した」としつつも、携帯電話には女性の電話番号が登録されていない点などから、「信用性がない」と判断した。 男は最後まで微動だにせず判決を聞いていた。その後、判決を不服として福岡高裁に控訴した。 ■「裁判が終わっても被害は続いている」 もしも就寝中の自室で突然、隣人に襲われたら…傍聴中、自分の身に置き換えて考えた。安心できるはずの空間で事件に巻き込まれた女性の恐怖、怒り、やるせなさは察するに余りある。 女性は事件から1年が過ぎても当時の夢を見てパニックになることなどから、医師からは「パニック障害になりかけている」との診断を受けた。夜に眠れない日が多く、夜間に1人で出かけられなくなった。 「ご近所付き合い」の機会は近年少なくなったとはいえ、集合住宅では一定程度のコミュニケーションがある。すれ違いざまにあいさつを交わしたり、エレベーターで「何階に行きますか?」と聞いたり、聞かれたり。災害時には助けあう関係になることは、熊本地震や豪雨災害で実感した人も多いだろう。 男の行為は、このつながりや、いざという時の信頼関係を踏みにじるものではないか。 結審の日、女性の代理人弁護士は法廷で「裁判が終わっても被害は続いている」と訴えた。この言葉を、男はもちろん社会はどう受け止めているのだろうか。
熊本放送