【孤独と脳の関係】一人でいる時間ではなく「孤独感」が脳卒中リスクを高める可能性!?研究結果が示唆
孤独とは、単に周りに何人いるかということではなく、自分がどう感じるかということである。新しい研究によれば、これが脳卒中リスクに影響する可能性があるという。 <写真>一人でいる時間ではなく「孤独感」が脳卒中リスクを高める可能性!?研究結果が示唆 ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院の新しい研究によると、慢性的な孤独を感じている高齢者は、そうではない高齢者に比べて脳卒中のリスクが56%高いという。同大学院の社会・行動科学科の研究員である筆頭著者のイェニー・ソー博士は、「孤独感は、もし認識されなかったり無視されたりすると、さらに悪化する可能性があるため、日常的に評価することが重要です。」と述べた。 この研究では、脳卒中の経験のない50歳以上の成人12,161人が、UCLA孤独感尺度質問に回答した。4年後の追跡調査では8,936人の参加者が残っており、同じ質問に回答した。研究者らはまた、参加者の脳卒中発症を追跡し、そのデータを孤独度スコアと照らし合わせて分析した。 参加者は両方の結果に基づいて、「一貫して低い」(孤独感尺度で2回とも低い得点の人)、「寛解」(1回目は高い得点で2回目は低い得点の人)、「最近の発症」(最初に低い得点で追跡調査時に高い得点の人)、「一貫して高い」(2回とも高い得点の人)の、4つのグループに分けられた。 研究者らは、孤独感が「常に高い」グループは「常に低い」グループよりも脳卒中のリスクが56%高いことを発見した。 「寛解」と「最近の発症」グループでは、脳卒中リスクの上昇はみられなかった。研究者らは、孤独感が脳卒中リスクに及ぼす影響は長期にわたって生じることを示唆している。 先行研究では、孤独や孤立は若年成人の睡眠障害、炎症、その他の症状と関連し、高齢者では寿命の短縮、不眠症、うつ病、その他の症状と関連していた。孤独や社会的孤立は、あらゆる年齢層の人々において、心臓病、認知症、糖尿病、依存症、自傷行為、自殺の高いリスクと関連している可能性がある。 ■ひとりぼっち?それとも孤独? 一人でいることが多いからといって、常に孤独を感じるわけではない。一人というのは、周りに人があまりいないということであり、孤独というのは、周りの人に関係なく感じることができる孤立した感覚のことである。そして、その孤独感こそが、脳卒中のリスク上昇と相関していることが、今回の研究で明らかになった、とソー氏は言う。 「本人は孤独を感じていることに気づいていなかったり、認めたがらなかったりします。孤独感を評価する自己記入式の質問票を自分で行うか、あるいは医療の場で、まず自分が孤独を感じていることを確認し、認めることが役に立つかもしれません。」「孤独感を繰り返し評価することで、慢性的に孤独で脳卒中のリスクが高い人を特定できるかもしれません。」と述べている。 ■社会とのつながりを育む方法 毎日、友人や家族に声をかける。 家族との時間や会話を大切にする 社会奉仕活動に参加する 新しい趣味を見つけたり、団体に参加する 他の人をサポートする 助けが必要な場合は、家族、友人、カウンセラー、医師に相談する 出典: This non-medical intervention may reduce your stroke risk|CNN Feeling lonely? Here’s how those emotions could increase your stroke risk|NEW YORK POST Surgeon general lays out framework to tackle loneliness and ‘mend the social fabric of our nation’|CNN 文/HIDEMI
HIDEMI