「3分3回エキシビション」では肩透かし?!メイウェザー対那須川天心戦が紆余曲折した真相とは
来年には元6階級王者のマニー・パッキャオ、UFCの元2階級王者、コナー・マクレガーとの再戦、或いは、そのマクレガーを破ったハビブ・ヌルマゴメトフとの試合など「100億円を超える」メガファイトを計画しているメイウェザーにとって、世界的には無名で、体重差もある異国の那須川と、公式な復帰戦を行うとアナウンスされることは、そのメガファイトの特別感を下げるリスクがあった。加えて放映に関する問い合わせなども陣営に殺到したようである。 「年明けにビッグマッチの話もあり、それとのバランスもあった」(榊原実行委員長)。 焦ったメイウェザーは8日にインスタに「公式試合の合意はしていない。不意をつかれた」などと長文を投稿。試合のキャンセルを匂わせた。また当初、富裕層を相手にした限られた場所でのエキシビションマッチと聞かされていたこと、会見では、話が違うと思ったが後戻りできなかったことなどの内幕を暴露していた。 榊原実行委員長は、その試合設定に関しては「そういう話はしていない。彼らの中でのミスアンダースタンド(誤解)」と完全否定したが、メイウェザーが、来日会見中に抱いた疑問については、「メイウェザーも何かが違うと感じたのかもしれないが、今回は、時間もなく、そこまで向かいあって話を聞けていない」と説明した。 今回の渡米交渉の中身は、「マネジメントサイドとの不安と不信を解くことが多かった。誤解を軌道修正した。スペシャルチャレンジマッチとしたことで、海外からするとなんだそれ?と疑問を抱かせてしまった。だからハッキリとエキシビションだと、ワールドワイドにアピールする。誤解は解け、1週間で問題はクリアした」という。 誤解を招いた謝罪と、説得を繰り返し、非公式試合の公表を約束することで試合のキャンセルを翻意させることに成功したのである。 メイウェザーは、これまでもペーパービュー(PPV)の契約件数を増やすための話題作りとファイトマネーなどの条件を吊り上げるため、この手の「やる」「やらない」の挑発を繰り返してきた過去がある。だが、榊原実行委員長は、「今回は経済条件も含めて条件の変更は一切なかった」という。 心配なのは再キャンセルの可能性。 それについて榊原実行委員長は、「キャンセルがないように全力でやりたい。リング内もリング外も何が起こるか、わからない。不測の事態、天変地異があれば仕方ないが、それ以外でキャンセルになることはない」と断言した。