「100%全力で愛を与えたい」ギャル作家・献鹿狸太朗×ギャルタレント・湯上響花『みんなを嫌いマン』に込めたもの
記憶に残って欲しいから、「傷ついた」と言われるのも嬉しい
──至は死なないというか、死ねない存在で。ご自分ならどうですか? 献鹿:死なない+老いないだったら、ちょっと魅力あるなと思う。その都度大切な人が見つかるだろうし。毎回、自分より先にその人が死んじゃうのは悲しいけど、その分メンタルもだんだん強くなっていくだろうし。 湯上:私は絶対無理派。『ゲド戦記』に「生を拒絶することは死を拒絶すること」って出てくるんですけど、私は死ぬことができるから生きることができるって思ってるので。 ──ちなみに献鹿さんは何歳で止まりたいですか? 献鹿:若ければ若いほどいいから、今の24で。 ──永遠の24歳、いいですね。じゃあ最後に、これからどんな作品を書いていきたいですか? 献鹿:記憶に残って欲しい。感動したって言われるのももちろん嬉しいし、めっちゃ傷ついたって言われるのも嬉しい。例えば国語の教科書のハードな話って一生忘れないじゃないですか。『少年の日の思い出』とか。 湯上:出た、エーミール! 献鹿:大好きなわけではないけど覚えてる感じがいいなって。あと私は全てのもので一貫性があることが素晴らしいと思っているので、自分の色を分かってもらえて、受け入れてもらえたら嬉しい。何を書いても、「なんだこれ?」「あー献鹿か。この人はこれ書くわな」みたいな。それが浸透したら嬉しいですね。 湯上:私的に献鹿さんという人は、めちゃくちゃキラキラのラインストーンとか、トゲトゲみたいなデコった広辞苑で読者の私をめっちゃ殴ってくるから、大好き、愛してるみたいな。雷をめっちゃ落としてくれる感じなんで、私は避雷針になって待ってます! 献鹿:避雷針ファン嬉しいかも。それをいっぱい打ち立てたい。トゲトゲの地球にしたい! ──愛に溢れてるから、トゲトゲでも嫌な感じがしないというね。 献鹿:そうです。「愛の惑星」になります! キャアキャアとにぎやかに盛り上がりつつ、世の中をみつめる独特のクールな視線が印象的なZ世代のギャル作家・献鹿狸太朗。おそらくこの先、彼女がこの世代を代表する存在になるのは間違いなさそうだ。 献鹿狸太朗さんをデビュー作から推していた湯上鏡花さん、2人の初対面はいかにーー? 前編【Wギャル対談「フェティッシュでバイオレンスなイメージ」献鹿狸太朗×湯上響花が語る『みんなを嫌いマン』】もあわせてお読みください。
荒井 理恵