競輪選手の性被害訴訟、被告側は争う姿勢 原告女性「生きがいの職業失った」 神戸地裁で初弁論
競輪の男性選手から性的ハラスメントを受けたなどとして、兵庫県内に住む30代の元女性選手が男性選手や日本競輪選手会(東京)、競輪振興団体JKAに慰謝料など計約2100万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が13日、神戸地裁(渡部佳寿子裁判長)であった。被告側はいずれも争う姿勢を見せた。 【写真】中2のとき、祖父にされたー 誰にも言えなかった性被害、30代男性 訴状などによると、女性は兵庫支部に所属していた2021年、同支部の先輩だった男性選手から飲食店でキスをされ、ホテルで性的関係を強要されるなどのハラスメント行為を受けたとしている。心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症し、今年10月に現役を引退。選手会などもハラスメント防止の取り組みを怠ったとしている。 女性は意見陳述で「生きがいの職業をこんな形で失い、途方に暮れている」と涙を流し、「選手が競技に専念できる環境を望む」と訴えた。 一方で、男性選手側はこれまでに「(性的関係は)合意の上だった」と主張。選手会側も答弁書で「男性選手らにも聴取した結果、ハラスメントと認定できなかった」などとし、請求棄却を求めている。