スペイン・カタルーニャ州の独立派が過半数割れ 州議会選挙
【ロンドン=黒瀬悦成】スペインのカタルーニャ自治州で12日、州議会選挙(定数135)が行われ、同州のスペインからの分離独立を目指す勢力が過半数割れする見通しとなった。独立に反対する中道左派の社会党が第1党を確実にし、カタルーニャとの関係修復を目指す中央政府のサンチェス首相の方針が実質的に信認される一方、独立派には大打撃となった。 ロイター通信によると各党の獲得議席数(開票率99%時点)は社会党42、独立強硬派のカタルーニャ連合が35、穏健独立派の少数与党・カタルーニャ共和左派(ERC)は20。いずれの政党も過半数を獲得できず、次期政権をめぐる駆け引きが活発化しそうだ。 カタルーニャ州は2017年、当時のプチデモン州首相が中央政府の意向を無視して独立の是非を問う住民投票を実施し、住民の約9割が賛成した。州議会は一方的に独立を宣言したが中央政府は州の自治権を一時停止して対抗。プチデモン氏は解任され、不服従の罪などで起訴された。 サンチェス氏は昨年、独立派幹部らに恩赦を約束するなどして独立派の態度軟化を促していた。 プチデモン氏も恩赦の対象となったのを受けて州議会選に出馬し、州首相への返り咲きを目指したが、独立派勢力の不振で求心力の回復は絶望的となった。