大阪・松屋町の武者人形が育てた歴史作家 片山洋一さん
名だたる武将様式の甲冑たちと対面
家業の自転車販売店では一般車の販売修理に追われる一方、岩場などの障害物を、自転車で足を地面に着けないまま乗り越えていく「バイクトライアル」(BTR)用のオリジナル専用車を手掛けている。 ブランド名は「JIRAIYA」。関西のBTR愛好家には知られた存在だ。自転車販売店の誇りを持ち、品質重視で顧客の要望に応える姿勢に、大阪商人本来の血が息づく。 片山さんは「ちょっと甲冑をのぞいていきますか」と声をかけてくれた。店に隣接する自宅で、凛々しい甲冑たちと対面。足利尊氏、豊臣秀吉、石田三成様式などの甲冑とともに、どこかで見かけたことのある甲冑も。「なんばウォークで着用したもので、松平忠明様式の甲冑です」と笑顔が弾ける。 取材を終えて松屋町の商店街を歩く。店頭には典雅なひな人形が並ぶが、ひなまつりが終わると、歴史作家を鍛えあげた武者人形たちの出陣だ。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)