【ABC特集】「トーバー」って何? 飛行機の到着から出発までを支える「グランドハンドリングスタッフ」 ウラ側に密着
飛行機を誘導する「マーシャラー」
マーシャラーはパイロットに手信号を送り誘導しますが、その際に使うのがパドルという道具。 (雑賀さん)「機体が入ってくるスピードはその都度違うので、急停止とかになってはいけないので、スムーズに止められるように出来るまではフォームをガラスに映して練習しました」 そうこうしているうちに沖縄からの便が到着。雑賀さんの合図に合わせて、飛行機が旋回します。機体がまっすぐになるタイミングで直進の合図。徐々に減速し、残り5メートルからパドルを上に上げていきます。飛行機が停止位置にきたらパドルを交差し、停止の合図。無事、駐機場への誘導が完了しました。息つく間もなく、次の作業です。 到着した機体は、40分後には再び沖縄に出発。その間に、合わせて109個の手荷物とおよそ2トンの貨物を積み替えしなければいけません。さらに、リモコン式の牽引車で、機体を滑走路へ。時間との勝負です。到着から40分後、飛行機は時間通りに飛び立ちました。 (雑賀さん)「安全に送り出せたのでよかったなと思います。ほっとしました。直接お客様と関わることがないので、時間通りに出すとか、無事に送り出すというのが私たちがお客様にできることだと思っています」
到着から出発までの時間はわずかしかない
午後3時すぎ、羽田からの便が予定より少し遅れて到着。機体が停止したのを確認したらすぐに作業開始です。飛行機がエンジンを切っても作業が出来るように機体に電源コードを差し込みます。この便での雑賀さんの役割はコンテナの積み替え作業。ハイリフトローダーとよばれる専用の車両を操縦します。貨物室に対してまっすぐに設置しなければなりません。少しでも位置がずれたり、角度が違うとやり直し。出発時間などに影響がでてしまいます。 大型のコンテナ7台すべてを下ろし終えたのは、機体が到着してからわずか10分後。一息つくまもなく、すぐに新しいコンテナ10台を積み込みます。これも約10分で完了。無事、時間内に終えることができました。
限られた短い時間のなかで多くの作業を正確かつ、安全に遂行するグランドハンドリングスタッフ。 (雑賀さん)「フライトがパズルとしたら最後1ピースをはめるのが私たちグランドハンドリングスタッフだと思ってます。送り出すところは私たちが最後に担うところなので、私たちがこのピースをはめて1便が完成するっていう思いでやっています」