障害者スポーツ、大会開催の明かりをともし続ける びわこ成蹊スポーツ大・中道莉央准教授 スポーツが未来を変える
「2026年にぜひ、うち(本学)でやりましょう!」―。今年3月、本学自慢のLake Crest(展望レストラン)で、滋賀県スポーツウエルネス協会・片岡秀之会長と26年に本学を会場にスポーツウエルネス吹矢(以下、吹矢)の大会開催を誓い合いました。 いよいよ来年10月25~27日に、滋賀県で44年ぶりとなる「第24回全国障害者スポーツ大会(愛称…わたSHIGA輝く障スポ)」が開催されます。吹矢は同大会でオープン競技に採用された競技ですが、吹矢はもちろん、すべての大会関係者が一丸となって、大会の成功に向けたさまざまな取り組みを今、まさに展開しているところです。 本学においても、約400人の学生が「スポーツフィールドワークⅠ(2年次必修)」の授業の一環で、全国から来県される選手団のみなさまが快適な環境のもとで競技に専念できるよう、〝選手団サポーター〟として、案内や誘導などのサポートをさせていただくことを予定しています。 障害理解には「①気づき、②知識化、③情緒的理解、④態度形成、⑤受容的行動」という5つの段階があるとされます。「同じ社会の一員として尊重し合う」といった態度形成、「必要に応じて適切な支援を行う」受容的行動の発現には、〝体験〟に裏付けられた知識や情緒的な理解が必要ということです。 知識化の段階では、「障害があっても工夫をすれば障害のない人と同じように生活できることを知ること」が求められますが、障害者スポーツはまさにこれが具現化されたものです。「障害者スポーツ大会」から障害理解を深める意義をここに強く感じ、学生たちには選手団のみなさまと行動をともにしながら、いろいろな体験を重ねていってほしいと願います。 一度形成された態度についても、これを補完する学びや体験が継続されることでますます強固なものとなり、受容的行動が日常の「あたりまえ」になっていくとされます。冒頭の片岡会長との誓いにも、「25年の大会はゴールではなく、ここからがスタート!」との思いが背景にあり、大会開催を機にともった明かりを「ともし続ける」ことが大切だと考えています。 また、その明かりは誰かがともしてくれるのではなく、どんな小さなことでも「〝わたしが〟ともし続けるのだ」という当事者としての意識を持つことが重要ではないかと感じます。大会開催まで、あと533日―。大会スローガンである『湖国の感動 未来へつなぐ』ために、大会開催に向けて取り組んでいることが、大会終了後のあたりまえになっていく仕組みづくり(環境調整)を関係者と連携し、わたしなりに試行錯誤しています。