【速報】渋谷に本日限定《ハチ公の部屋》が登場! 西野達が語る“人間の想像力の拡張”とは?
渋谷に急げ! 本日11月12日、朝から夜22時までの1日限りの限定公開。生誕100年、渋谷駅前で飼い主を待ち続け、街ゆく人たちを見守ってきたハチ公に、アーティスト西野達が用意したのは、1日休息してもらうための快適な部屋だ。なぜ西野はハチ公をアートに? その意図を西野本人に語ってもらった。 【フォトギャラリーを見る】 「ハチ公の銅像は1934年から渋谷駅前にあります。約90年も雨の日も雪の日も、座り続けているわけです。部屋を建てることにより、『ハチ公に室内で休んでもらおう。お疲れ様』というふうに生誕100年に繋がる作品となっていますが、アート的な主題は俺の他の作品全てそうなんですが、“人間の想像力の拡張”なのです」(西野達) 西野達は、シンガポールのマーライオンを取り込んでホテルにしたり、NYマンハッタンに立つコロンブス像の周辺をリビングルームにしたり、普段見慣れた街の風景をダイナミックに変換させ、固定概念を軽やかに凌ぐ大規模なプロジェクトを発表している。
「普段は屋外にあるモニュメントを取り込んで、ごくありふれたリビングルームやベッドルームを建てることで常識がぐらつくことを企んでいるわけです。ここでは“屋外のものが室内に”、“公共のものがプライベート化する”という見慣れたものの逆転現象が起きていて、それを通して観客は想像力を刺激されるのです。 何十年と同じ場所に動くことなく存在しているモニュメントは、“見慣れる”ことを壊すモチーフとしては完璧でしょう。同じように日常的に暮らす一般家庭の部屋に“ありえない”銅像を持ち込むことで見慣れた風景が異化します。俺がモニュメントとごくありふれた部屋を作品に使う理由はそこにあるのです」
11月12日の朝8時から公開された《ハチ公の部屋》はシンプルなベッドルームだ。 「ハチ公に休憩をとってもらいたいので、部屋はベッドルームを選びました。部屋はコアのコンセプトを際立たせるために、いつも現地の国のありふれた内装にしています。今回も寝室にあるのは、ベッド、一人用ソファ、フロアライト、ラグなどで、いたって平凡な家具です」