快進撃続けてきた新人右腕にプロの壁…2登板連続で負け投手に
巨人がヤクルトに手痛い逆転負けを喫した。2―2で迎えた5回に丸佳浩外野手(35)の今季1号ソロで勝ち越したが、7回に登板したドラ1ルーキー・西舘勇陽投手(22)が2安打2四球で2失点の乱調。逆転を許し、前回登板の4月26日のDeNA戦に続く黒星を喫した。チームは3カードぶりの負け越しが決まったが3、4月は2年ぶりの勝ち越しとなる13勝12敗3分けの2位で終えた。1日のヤクルト戦では、4勝4敗となった9連戦のラストを白星で飾りたい。 【動画】西舘が1点を守り切れず 無念の敗戦 腹を据えて送り出した。阿部監督は西舘に大事な場面を託し続けた。1点リードの7回から登板したルーキーは安打と2四球で2死満塁のピンチを招くと、サンタナに逆転の右前2点適時打を浴びた。2登板連続で敗戦投手となったが責めず「村上に対しての四球が痛かったかな。けど、しょうがない。それまでの頑張りもあるしね。明日もいってもらうつもりでいるから」と次の登板に期待した。 26日のDeNA戦(横浜)で3失点して11登板目でプロ初失点初黒星を喫した。新人史上初の開幕から10登板連続ホールドで快進撃は止まった。それでも、阿部監督は中3日で変わらず勝ちパターンの一角として起用した。2死一、二塁で村上を迎え、左腕への継投も可能な状況でどっしり構えて続投。苦い結果にはなったが「また明日抑えればいい話で」と受け止めた。 3、4月が終了して28試合で13勝12敗3分けの貯金「1」。昨年の同時期が借金3だったことを考えれば上々の滑り出しだ。開幕直前に色紙に力強く「やってやろうじゃないの!」と決意を記して船出した阿部新監督。2年連続Bクラスの4位からの逆襲へ、収穫も多くあった1か月だった。 チーム防御率はリーグ2位の2・33。先発では菅野、高橋礼が抜群の安定感を見せた。昨年のリリーフ防御率リーグワースト3・81で、阿部監督が「最重要課題」と掲げたブルペン陣は同2・42と大きく改善した。13勝のうち8勝は味方打線が3得点以下のロースコアと投手陣の奮闘が光った。 「0点に抑えれば負けない」と守備を重視する新監督。この試合も中堅・萩尾が大飛球をフェンスに激突しながら好捕するなど内、外野ともに鉄壁の守りが光った。オコエ、佐々木、萩尾らが奮闘。若手が成長途上の阿部巨人には無限の伸びしろが詰まっている。 ヤクルトに0―9で大敗した前日29日の試合後、阿部監督は「明日はどれだけ“切り替え力”を持っているかという勝負」と話していたが、一夜明けの一戦は1点を争う接戦。西舘が逆転を許した後も8、9回に得点圏まで走者を進めて食らいついた。「昨日は一方的な試合で流れは完全に向こうにあるんだけど、最後もいい粘りを見せてもう一息だった」と振り返った。 西舘について「次はやってやるぞという負けん気だけじゃないですか」と切り替えの大切さを説いた阿部監督。9連戦はここまで8試合を終えて4勝4敗。「みんなしんどいのは分かっていますけど、向こうも必死。こっちも必死になって、勝って9連戦を終わりたい」と新たな気持ちで5月に入る。(片岡 優帆)
報知新聞社