プレッシャーがかかる場面で、本来の力を発揮する方法とは?【里崎智也×五十嵐亮太のライフハックベースボール!】第34回
■「いいときの自分」を見て自信を取り戻す 里崎 確かに亮太の言う通り、スイッチをオンにしたりオフにしたり、そんなに簡単にマインドセットができるものではないよね。だから、少しずつ段階を踏んで、気持ちの切り替えに取り組んでいくことが大切なんだと思うな。亮太は現役時代にどうしてたの? 五十嵐 リリーフでの登板が多かったから、やっぱり気持ちの切り替えはすごく大切でした。打たれたこともあるし、リリーフ失敗で先発投手の白星を消してしまったこともあります。でも、それをいつまでも引きずってしまうわけにはいかない。だから、「失敗したら、次で取り返せばいい」と考えられるようになっていきました。それもまたマインドセットの一種ですよね。 里崎 僕の場合は、自分の調子が悪いとき、冷静さを失いかけているときには、自分が活躍している場面だけを集めた「イメージアップビデオ」を見ていたね。ビデオの中では、めちゃくちゃ難しいボールを難なく打ち返している。それを見て、「やっぱり、オレはすごいなぁ」って自分で自分を徹底的に褒める。そうすると、だんだん自分に酔いしれていって、気持ちよくなってくるんだよね(笑)。 五十嵐 わかる、その気持ち。あえて「いいときの自分」を見ることで、自分を洗脳するというのか、失いかけた自信を取り戻すきっかけになりますよね。 里崎 アスリートの場合は「映像」でいいときを思い出すことができるけど、一般の方の場合も、自分が手がけた商品やサービスをふり返ってみたり、上司から褒められたレポートを読み返してみたり、賞状を取り出してみたり......なんでもいいから、自分にとっての"晴れ舞台"をふり返ってみることもいいマインドセットになると思うけどね。 五十嵐 冒頭でも話しましたけど、誰だってプレッシャーはあるものだし、プレッシャーから完全に逃れることができないのだとしたら、意識を切り替えることで、それを軽くしたり感じなくすることはできるかもしれないですよね。 ――ありがとうございました。今回はここまでということで。次回もまたおふたりの考えるメンタル強化術、"ここぞ"という場面での気持ちの持ち方について伺っていきます。では、次回もどうぞよろしくお願いいたします。 里崎・五十嵐 了解しました。では、また次回! 構成/長谷川晶一 撮影/熊谷 貫