「大事なことは金メダルの数じゃなく、それぞれに楽しむこと」……読めばスポーツが楽しくなるおすすめの児童書
スポーツは青春小説の定番の題材でもある。『光の粒が舞いあがる』(PHP研究所)の主人公は母子家庭で育った女子中学生。家でも学校でもストレスを抱える彼女が同学年の女子ボクサーに出会い、自らも競技に魅了され、生き方を見つめ直す姿を描いている。
著者の蒼沼洋人さんは幼少期からのボクシングファンだ。お笑いコンビ「南海キャンディーズ」の山崎静代さんがロンドン五輪出場を目指した姿を見て、女子ボクシングを作品の題材にしたいと考えたという。
「誰かが真剣に取り組む姿を見て心を動かされ、生きる支えになることもある。そんなスポーツの魅力を頭の片隅に置き、執筆しました」と、蒼沼さんは振り返る。自身は小学生の頃に野球選手に憧れながら、練習場が遠く、諦めた過去があるという。「本当に野球をやりたいと親に言っていれば、という心残りがまだある。自分の気持ちを大切にして声を上げてみてほしいという気持ちも作品に反映させました」と思いを込めた。